住宅ローン・資金計画

一般的な貯蓄額と住宅購入、そして離婚・売却のリスク

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一般的な貯蓄額と住宅購入、そして離婚・売却のリスク

住宅購入者の貯蓄や住宅ローン(負債)のこと、資産価値の安定が住宅購入には大事だということを、購入後に離婚などで売却したときのリスクに話が脱線しつつも書いています。

住宅診断(ホームインスペクション)

貯蓄の中央値は1,000万円

日本の家庭の貯蓄額の中央値は約1,000万円だそうです(総務省の家計調査より)。平均値は約1,400万円ものあるのですが、これは非常に多くの資産を保有している人(要するにお金持ち)も含めて計算された計算値であるため、一般的な家庭の貯蓄額とは違いますね。

ちなみに、統計によって数値は異なりますから、ざっくりとした参考値だと考えておいた方がよいでしょう。

平均値では実態がわかりづらいため、貯蓄額を中央値で見ると約1,000万円です。

当然、この数値を見た時点で自分の貯蓄額と比較したと思いますが、いかがでしたか?

これを見てショックを受けた人は、貯金を頑張ってください。

ただ、単身世帯は多く、2人以上の世帯の方が少なくなることも考慮して比べてください。そして、預金だけではなく、生命保険や株なども含まれた数値であることも理解しておいてください。

少しは気が楽になりましたでしょうか?

40歳台の世帯の65%が住宅ローンを利用して住宅を購入している

ところで、このサイト(住まいの殿堂)は主に住宅購入者を対象としておりますので、この総務省の家計の調査を住宅購入と絡めて少し考えてみます。

20台後半から40台にかけてマイホームを購入する人が多いですから、40台では住宅を既に購入している人が多いですね。その40台の貯蓄と負債について見てみると、貯蓄が1,024万円であるのに対して負債が1,068万円となっており、負債が貯蓄を上回っているのがわかります。

負債がこれだけ多いのは、やはり住宅購入者の住宅ローンが強く影響しているからで、住宅・土地のための負債が994万円となっていることから明らかです。

ちなみに、40台の負債がある世帯の割合は64.6%となっておりますから、40歳台になれば約65%の世帯が住宅ローンを利用して住宅を購入していることがわかります。

住宅を購入した世帯の貯蓄と負債

ここまでは、負債のある世帯もない世帯も含めたデータを見ていますが、次に負債のある世帯のみを見てみましょう。つまり、住宅ローンを利用して住宅を購入している世帯のデータです(負債には住宅ローン以外も含まれる)。

40歳未満の世帯では、貯蓄が528万円で負債が1,796万円(うち住宅・土地のための負債は1,710万円)となっており、負債が大きく貯蓄を上回っています。

40歳台の世帯では、貯蓄が860万円で負債が1,653万円(うち住宅・土地のための負債は1,538万円)となっており、40歳未満より貯蓄と負債の差額が小さくなっています。とはいえ、まだまだ負債の方が非常に多いですね。

そして、50歳台の世帯のデータを見てみると、貯蓄が1,324万円で負債が1,181万円(うち住宅・土地のための負債は982万円)となっており、貯蓄の方が負債を上回っています。

世代別、貯蓄・住宅ローンの比較表

30歳台でマイホームを購入した場合、平均的な家庭では50歳台になってからようやく貯蓄が負債を上回っていることがわかりますね。但し、これはあくまで預金や保険、株などの金融資産の話であって資産すべての推移ではありません。

金融資産だけではなく、不動産という資産のことも考える

住宅ローン(負債)を利用して住宅(資産)を購入しているのですから、上記の数値以外に不動産という資産があるわけです。

たとえば、35歳で結婚し同時に住宅を購入しようとしたときの貯蓄額が1,000万円(よく貯めていますね)だった人が、3,500万円の物件を購入したとします。諸費用で150万円(仲介業者を介さずに購入した場合)を使い、頭金として350万円(購入価格の10%)を出しました。

この場合、住宅を購入した直後の貯蓄が500万円となり、住宅ローン(負債)が3,150万円となりますね。

購入した瞬間の資産は4,000万円(物件価格3,500万円+貯蓄500万円)ですから負債よりも850万円多いということになりますね(以下の表を参照)。

住宅購入時点の資産比較表

購入前に比べて減少しているのは、購入時の諸費用がかかったからです。

不動産という資産も入れれば購入時点からプラスなのですが、金融資産だけを見れば、この後、50歳台までは負債の方が多い時期が続きます。また、若い世代では今の50~60歳と違って収入がそれほど上がらない可能性があることを考えれば、世帯によっては60歳台まで続く可能性もあるでしょう。

購入する物件によって、その資産価値が大きく変わるのは言うまでもありませんが、家計の安定を考える上では購入した住宅の資産が高いか低いかというよりも、購入時と比べて安定しているかどうかが重要です。購入したときより、大きく資産価値が下がってしまうと、その世帯の資産もマイナスになってしまいます。

もし住宅購入直後に離婚すれば大変なことに!

たとえば、上の事例で購入した不動産が新築マンションで立地等の条件もあまりよくなく、購入直後に大きく値下がりしたとしたらどうでしょうか。新築マンションならば、購入直後に10%以上のダウンはよくあることですから、仮に15%ダウンとすれば、525万円(=3,500万円×15%)の減少です。

住宅購入直後の資産比較表

資産は325万円(=850円―525万円)まで下がっていますね。

もし、ここで離婚して自宅を売却することにした場合、値下がりした2,975万円で売却することになれば、住宅ローン3,150万円との差額175万円を貯蓄から支出し、さらに売却にかかる諸費用が100万円ほど必要になりますから、貯蓄が225万円にまで減ってしまいます。

自宅売却後の資産比較表

結婚・住宅購入前の資産が激減してしまっています。結婚と同時に住宅を購入して、すぐに離婚して自宅を売却するときのリスクの大きさがわかりますね。本当に全てを失ってしまう感覚です。話が脱線してしまいました。

安定した資産価値を望める住宅購入を

話を元へ戻しましょう。購入した住宅の資産価値が購入時と大きな変動がなく安定しているならば、リスクが小さくなります。前述のような購入直後の離婚・売却の話は極端な例だとしても、転勤・介護などの理由で自宅の売却を考えなければならないときがくることはありえることです。

住宅を購入するときは、もしものときのために資産価値の安定をキーワードに考えてみるとよいでしょう。

 

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