住宅購入時の火災保険・共済の選び方と注意点

住宅を購入すれば、多くの人が火災保険に加入します。同時に家財保険や地震保険に加入する人も増えています。火災保険等の保険料も高額なものですから、きちんと比較検討して選ぶべきなのですが、深く考えることなく加入している人の方が多いです。

火災保険選びの問題点1:不動産会社の紹介で加入

住宅を購入するときには、不動産会社と関わりを持つことから、取引の流れのなかで火災保険の商品を簡単に案内してもらい、他の火災保険と比較することもなく加入する人も多いです。不動産会社は特定の保険会社、もしくは複数の保険会社と代理店契約をしており、保険を売ることで手数料を得ていることが多いです。

このとき、不動産会社が火災保険・地震保険・家財保険に詳しく、加入者のメリットを考えて提案してくれているのであればよいのですが、多くの場合、「たぶん、どこの保険もだいたい同じですよ」ぐらいの説明で加入を促しています。

実際には、火災保険もよく比較検討することで違いもわかるのですが、代理店である不動産会社も加入する住宅購入者も深く考えていないものですから、結果的にもっと自分にあった保険があっても気づかないのです。

火災保険選びの問題点2:保険の代理店(相談窓口)で加入

火災保険に限らず、生命保険でもそうですが、駅前などで見かける保険の相談ができるカウンターを用意した相談窓口(代理店)で保険の相談をして加入する人も多いです。不動産会社と違い、保険の知識的には頼れる存在ですし、複数の保険会社の火災保険から適切なものを提案してもらえるというメリットがあります。

しかし、このメリットはその保険の代理店がメリットとして強調しているだけで、そのメリットが十分に活かされていないことが多いです。複数の保険会社を扱っていると言いつつも、偏った保険会社の保険を売ることが多いのが現実です。

同じ保険会社の保険を販売することで代理店が得る手数料率があがるため、代理店の売上・利益に影響があるからです。そして、代理店業務を行う不動産会社の紹介の場合と共通ですが、保険会社から代理店へ支払われる手数料は当然ながら保険料に上乗せされていますから、保険料が高くなります。

火災保険選びの問題点3:相談無料や格安に注意

保険業界では、保険を売って手数料を得るビジネスが多いため、商品を紹介する会社のメリットが優先されることが多いことを知っておいた方がよいでしょう。全ての会社がそうとは限りませんが、無料や格安の相談料で対応しているということは、販売した後の手数料を目的としていることですから、そのつもりで相談すべきです。

無料や格安で本当に自分のメリットを考えた提案を受けられることはほとんどないと思ってください。むしろ、高い保険に加入してしまうことも多いです。

保険代理店の提案する火災保険以外の民間保険も検討する

住宅を購入するときは、購入者もやるべきことが多くて忙しいものです。不動産会社や駅前にあるような代理店(相談窓口)の紹介を避けるとなれば、どのようにすればよいのでしょうか。

代理店の紹介する会社は手数料がありますから、逆に言えば代理店の紹介していない保険会社も候補にして直接に問い合わせるとよいでしょう。代理店のHPを見れば紹介できる保険会社がたくさん表示されていることが多いですが、掲載されていない保険会社を探すということです。

火災共済も検討する

そして、もう1つは火災共済を候補に入れて比較するという方法です。共済は民間の保険会社ではないですが、掛け金(民間保険会社でいう保険料)を支払ってもしもの時に備えるもので、保険と同じような仕組みです。

都道府県民共済、全労済、JA共済といったところが有名ですが、聞いたことはあるのではないでしょうか。

火災共済のメリットは、掛け金が民間保険会社の保険料より安いということです。また、返戻金が生じることが多く、総合的に計算すれば相当な金額差となることが多いです。

保険の比較サイトを見ると共済のデメリットとして、補償範囲の不足を説明していることもありますが、実際にはそうでもないこともあり、自分自身で各共済のHPを見て比較検討した方がよいでしょう。保険の比較サイトでは、保険会社や代理店への相談申し込みを促進して広告料を得るものが多いため、民間の火災保険を推奨する内容が多いとも言えます。

あれこれと考える時間がないのであれば、無料の保険相談窓口で相談にのってもらって具体的な商品の提案をうけつつ、共済へも問合せて内容や金額を比較してから判断することをお勧めします。

 

○関連記事・コラム