2017年の地震保険改定 関西は概ね保険料引き下げ

1995年の阪神淡路大震災、2011年の東日本大震災などの大地震だけではなく、今年に入ってからでも熊本や鳥取で震度4以上の地震が起き、大きな損害が発生していることは記憶に新しいところです。

地震大国日本に住む限りは、地震リスクへの備えを行うことが必須であると言っても過言ではないでしょう。地震リスクへの備えとして地震保険への加入が考えられますが、2017年に改定されることが決まっています。

 

地震保険を改定する背景

最近メディアで取り上げられることも多くなっていますが、遠くない将来、南海トラフを震源とする東海・東南海・南海地震の発生が予想され、災害リスクが高まっています。このような現状を踏まえ、保険金の支払い余力を高くしておく必要があるため、2017年から全国平均で地震保険料が5.1%引き上げられることになりました。

 

改正点①地震保険料引き上げ、但し関西ではほぼ引き下げ

全国平均では地震保険料は引き上げられますが、全ての地域が一律に引き上げられるわけではなく、上がる地域があれば下がる地域もあります。

関西では被耐火建築物で改定率をご紹介すると、滋賀県は+7.5%引き上げられますが、京都府は-7.3%、大阪府は-2.5%、奈良県は-7.3%、兵庫県は-7.3%、和歌山県は-11.3%、と概ね今回の改定では地震保険料が引き下げられます。

ちなみに関東は地震リスクを反映して東京都を含め全ての県が引き上げらます。

 

改正点②損害区分の細分化

地震保険では損害額=保険金支払額ではなく、損害の程度に応じて現状では3段階で判断されることになります。

例えば、地震保険金額が1,000万円だとすると、全損では1,000万円、半損では500万円、一部損では50万円が支払われることになります。この損害区分が2017年から4段階と細分化され、半損が大半損と小半損に分かれます。現状より損害の程度に応じた保険金支払いがされることになりそうです。

 

地震保険の改定前と改定後

地震保険加入は検討に値する

この国は過去に何度も大地震に見舞われ、多くの犠牲と大きな損害を出してきました。地震大国であることは疑いようがない事実ですし、これからも地震が起こる可能性が高いです。

地震保険は火災保険金額の50%迄しか補償を付けることはできませんが、万が一のとき、加入していた場合と加入していなかった場合で生活の再建に大きな差が出てくるかもしれません。地震保険への加入は、この国に住む限りリスク対策として検討に値するのではないでしょうか?

 

<執筆者>
・執筆者:長谷剛史
・所属会社:長谷ファイナンシャルプランナー事務所
・主な資格:ファイナンシャルプランナー(CFP・1級FP技能士)、住宅ローンアドバイザー

<執筆者のプロフィール>
住まい・資産運用・保険3つの分野に強いファイナンシャルプランナー。ライフプランを中心とした総合的な観点からアドバイスを行う。

 

長谷ファイナンシャルプランナー事務所

 

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