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引渡し前の立会い(内覧会・完成検査)で施工ミスがあったときの対処方法

引渡し前の立会い(内覧会・完成検査)で施工ミスがあったときの対処方法

新築住宅を購入して、もうすぐ引渡しだという時期になれば、新居での生活をイメージしてウキウキした気分になる人も多いでしょう。家具や家電を買い替えるなら、それを選ぶのも楽しいですね。ただ、逆に言えばやることが非常に多くてマイホーム購入者にとって、引渡し前の時期は忙しいときでもあります。

その忙しいなか、引渡し前には売主や建築会社も同席したうえで買主による立会い検査が行われることになります。立会い検査のことは、内覧会や完成検査とも呼ばれるものですが、とにかく買主が建物の完成状態をチェックして、施工ミス(不具合)などがあれば補修を求める大事な機会です。

そして、その引渡し前の立会いで施工ミスが見つかったとき、皆さんは冷静に対処することができるでしょうか。ここが、住宅購入で失敗しないための大きなポイントになりうるので、施工ミスがあったときの対処方法を解説します。

引渡し前の立会い

住宅診断(ホームインスペクション)

1.引渡し前の立会い(内覧会・完成検査)でよく見つかる施工ミス

新築住宅の引渡し前に行う立会い(内覧会)でこれまでによく確認されている施工ミスの事例をあげます。この事例は、2003年から多くの住宅の引渡し前の内覧会に立ち会って、買主の代わりに施工ミスのチェックをしてきたアネストの実績から得た情報です。

但し、キズや汚れといった見栄えの問題点については、ここでは除外しておきます。見た目の不備についてはご自身で気になる点は指摘していくとよいでしょう。以下では、建物の機能的・性能的な問題や将来のリスクにかかわることをご紹介しています。

1-1.断熱材の施工ミス

新築の内覧会で指摘が多い自称の1つが断熱材です。

引渡し前の立会いで確認できる断熱材は、床下と小屋裏のなかのものですが、点検口から覗いてみたところ、床下の断熱材が落ちていたり垂れ下がっていたりすることがよくあります。屋根裏でも、断熱材が乱雑に置かれて隙間だらけになっていることがあります。

点検口から覗いて見られる範囲は限定的ですから、出来れば潜っていって奥まで断熱材の施工に問題ないか確認しておきたいものです。中古住宅では、劣化した断熱材が落ちているということがよくありますが、実は新築でもよく見つかっているので注意しましょう。

ただ、この時点で見つかる断熱材の施工ミスは対処方法も簡単です。張り直してもらうわけですが、人が入っていける箇所ならば、問題なく再施工できるでしょう。

よく見つかる断熱材の施工ミス

1-2.ビスの締め忘れ

住宅はいろいろなところをビス止めしていますが、そのビスがきちんと留っていないことがよくあります。留っていなければ、しばらくしてからぐらつき出すことがありますし、建物外部であれば漏水のリスクがあるので注意が必要です。

特に注意して確認すべきなのは、サッシ周りのビスです。緩みや留め忘れがあれば指摘してとめてもらいましょう。

1-3.外壁の開口部・貫通部周りの隙間

外壁にはいくつもの開口部があります。開口部とは、言わば穴が開いているような箇所で外から内側へ貫通している部分です。この開口部は、雨水が浸水して雨漏りが起こることが非常に多いところなので、引渡し前の立会いでは必ず確認しておきたいところです。

具体的には、サッシ(窓)やエアコンスリーブ、給気口、換気ダクトからの排気口、その他の配管類の貫通部です。

これら開口部の周囲は、シーリングにより隙間をきちんと埋めておくことが推奨されますが、部分的にやっていないことがあります。また、施工はされているものの雑すぎて隙間が空いていることもあります。開口部の周りは、1つ1つ丁寧に確認していく必要があるところです。但し、高い位置(例えば2階や3階のサッシ・給気口)はそこにベランダでもない限り詳細な確認は難しいところが残念なところです。

もちろん、シーリングの施工漏れや雑な施工があれば、補修を求めましょう。難しい対処ではありません。

外壁の開口部周りの隙間

1-4.基礎のひび割れ(クラック)

基礎のひび割れ(クラック)は多く発見される症状です。新築なのに出来上がった時点でそんなにひび割れがあるものかと思われる人もいると思いますが、これが多いのです。

ただし、ひび割れの全て直ちに問題だというわけではありません。基礎の表面にはモルタルというものが施工されていることが一般的であり、このモルタルはひび割れしやすいのでよく確認される事象です。ただ、モルタルとはいえ新築時点でひび割れが多いのであれば、施工が雑だった可能性が考えられますし、その後の症状の変化によってはもっと大きな問題を抱えていることもあるので油断してもいけません。

また、床下側から基礎を見たときに確認されるひび割れは基本的に構造部に生じたものですから、これは慎重に対応を検討する必要があります。売主や建築会社が、「モルタルを塗っておく」とだけ言っている場合はそれでは対応として不足することも多いので要注意です。

基礎のひび割れの対処方法としては、その位置・大きさ・箇所数などによって総合的な判断が必要ですが、状況がひどいようであれば経過観察して、問題が大きくなっていないか、何か根本的に大きな原因がないか検討することも必要です。

1-5.タイルの浮き

住宅にはタイルが使われている箇所がいくつもありますが、このタイルは施工が雑なときには、目でみただけではわからない浮きが生じていることが多いです。対処法としては、浮いているタイルは、何かがあたったときなどに割れやすいので、新築時に補修してもらうのがお奨めです。補修しない場合でも、早期に割れた際には補修してもらうよう約束を取り付けておきたいところです。

特に注意して確認した方がよいのは、玄関や玄関ポーチのタイルです。毎日、出入りするときに通過するところですから、早期に割れてしまうこともあります。

前述したように見ただけでは浮きを確認できないので、固い物で軽くさするようにして音の変化で確認するとよいでしょう。専門家に内覧会立会い・同行サービスを依頼したときには、打診棒で確認してくれることが多いですが、トンカチなどでも代用できます。ただし、叩くのではなく転がすように使用してください。叩くとそれによって割れてしまうことがあるからです。

1-6.床下のゴミ・残存物

床下に潜って奥まで調査してみたところ、工事中のゴミなどの残存物が見つかることがよくあります。木片や余った断熱材などが放置されていることもありますし、ときにはタバコの吸い殻が見つかることもあり、買主としては気分のよいものではありません。

木片を放置しておくと、将来的にはシロアリ被害にあいやすくなりますから、早期に取り除いておくべきです。

点検口から覗いただけで、ごみなどが確認された場合は、床下全体の確認を売主や建築会社へ要求してください。きちんと床下の写真を撮影してもらって提出を求めた方がよいでしょう。

2.施工ミスへの賢い対処法

個別の施工ミスに対しての対処方法は上に述べた通りですが、次に施工ミス全般に対する対処方法について解説しておきます。

2-1.できれば最初の立会い時(内覧会)で指摘する

施工ミスを指摘して補修を求めるのは、最初に行う内覧会(引渡し前の立会い)が最適です。何かあれば補修対応することを前提として、売主や建築会社も立ち会っているはずなので、話も早いでしょう。また、名目上はこのときに指摘していないことは後から指摘しても受け付けてもらえないということもあります。

専門家に同行を依頼せず買主だけの立会いである場合、判断がわからないことも少なくないですが、そういうときは売主や建築会社に遠慮せず、丁寧に指摘をお伝えしたり、気になる点が問題ないか尋ねたりするとよいでしょう。

2-2.施工ミスを記録しておく

引渡し前の立会い(内覧会)で何らかの施工ミスを見つけたときには、メモを残して記録するようにしましょう。売主によっては記録シートを用意していることもありますが、その際にはその写しを受領するようにしてください。

後からどのような指摘があったのか確認できるようにするために必要なことですが、メモだけではわかりづらいこともありますから、可能な範囲で写真撮影しておくと役立つことがあります。

施工ミスの記録

2-3.補修後(手直し工事後)に再チェック

引渡し前の立会い(内覧会)で指摘した施工ミスなどは、補修された後に買主が再チェックしなければなりません。これを怠ると補修されていたと思っていたのに、放置されていたり、補修が雑でほとんど改善していなかったりすることがあるからです。

再チェックも買主が現地に立ち会って自らの目で見て確認することが大変重要です。

2-4.必ず引渡し前に再チェックまで

非常に大事なことをお伝えしておきます。それは、ここで紹介した引渡し前の立会いから、施工ミスの補修後の再チェックまでの全てを引渡し前までに行うということです。

よく聞く話として、補修後の再チェックを、引渡しを受けてから実行するというものがあります。引渡しは、代金の全額を支払う日と同日に行うことが一般的ですから、再チェックが引渡し後ならば支払いも終わった後ということになってしまいます。

これでは、見つけた施工ミスがきちんと補修してもらえないなどのリスクが生じるので、引渡し前に実行するようにしてください。

3.引渡し前の立会い時の施工ミスに関する予備知識

最後に、引渡し前に見つけた施工ミスに関することで、予備的に知識を紹介しておきます。何かあったときに、この予備知識があれば交渉で役立つこともあるでしょう。

施工ミス対応の予備知識

3-1.後から気づいた施工ミスも補修してもらえる

「2-1.できれば最初の立会い時(内覧会)で指摘する」で、施工ミス等の指摘は最初の内覧会でするように書きました。これが間違いなく理想ではあるのですが、現実には引渡し前の立会いの重要性に後から気づいて、改めてチェックし直している人も少なくありません。

実は、最初の内覧会で指摘しなかったことでも多くのことは補修対応してもらえるものです。新築工事に問題があったことが明らかであるにも関わらず、補修対応しないということが本来はあってはならないものですから、後からでも指摘して補修を求められることは多いのです。

具体的には、2度目の確認のとき(補修後の再チェック)に専門家へ同行依頼して診てもらう人も多いですが、引渡し後に依頼している人もいます(但し、お奨めは引渡し前です)。

3-2.施工ミスが原因による引渡し遅延は売主の責任

引渡し前の立会いで大きな施工ミスが見つかったとき、その補修工事に相当な期間を要するために引渡し日が遅延するということがあります。買主としては嬉しくない状況ですが、大きな施工ミスをその後に持ち越すよりも引渡し前に解決しておいた方がよいですから、やむを得ず引渡し遅延を受け入れざるを得ないこともあるのです。

施工ミスとその補修が理由で引渡しを受けられないとき、その責任は売主(または建築会社)にあります。対応のひどい業者が、引渡し日を変更できないので引渡してから補修すると言うことがあり、これを買主が拒否した場合に、引渡し遅延は契約違反だと主張することがあります。

引渡しが遅れた原因は、買主が引渡しの受け入れを拒否したからではなく、施工ミスと補修の必要性が生じたからですので、ここは毅然とした態度で売主側の責任であることを主張しましょう。むしろ、売主側が契約違反となり違約金の対象ともなりうるところです。

3-3.入居後に再発していないか要チェック

引渡し前にいろいろなことを指摘し、きちんと補修されたからと言って安心してはいけないこともあります。見つかった施工ミスにとっては、その後の経過観察が大変重要になるからです。症状の再発・悪化・新たな関連症状の発生ということもあります。

特に注意しておきたいのは、基礎のひび割れ・外壁のひび割れ・室内壁や天井のひび割れ・床や壁の傾きが新築時点で見つかっていた場合です。また、屋根裏や床下で水濡れしている部材が見つかったときも、その後の変化の有無を確認した方がよいでしょう。

入居後、または引渡し後、半年から1年程度の期間経過後に確認してみましょう。

以上、引渡し前の立会い(内覧会・完成検査)でよく見つかっている施工ミスの事例や、実際に施工ミスがあったときの対処方法について解説しました。できれば、引渡しを受ける前に読んで慎重に対応しておきましょう。

住宅診断(ホームインスペクション)

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