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住宅購入後に地震等で建物が壊れたときの責任は?(危険負担の基礎知識)

住宅購入後に地震等で建物が壊れたときの責任は?(危険負担の基礎知識)

いろいろな物件を見学した後に購入したいものを見つけて売買契約をしたものの、その後に大地震が生じて建物が倒壊してしまったときは、どうなるのでしょうか。住宅を購入した後は、買主が補修費用を負担しなければならないのでしょうか。

実際に地震で購入した住宅が倒壊する場面には、そうそう直面することはないと考えるかもしれませんが、日本は地震国です。熊本、東北、中越、阪神・淡路など多くの地震被害を経験している国で住宅を購入するのですから、知っておくべき住宅購入の基礎知識だと言えるでしょう。

危険負担の基礎知識

地震などの天災によって売買する住宅が倒壊してしまうような問題が起こる可能性がありますが、そういったやむを得ない天災などを理由に取引に問題が生じたときの基礎知識をについて解説します。

危険負担とは

住宅の売買に関して、売主と買主の双方に責任がないことを理由、債務を履行できないときの負担をどうするかということを危険負担と言います。

例えば、売買契約後、引渡しをする前に大地震で建物が倒壊した時の責任をだれがどのように負うのかといったことです。遭遇する確率は高くないけれども、遭遇してしまったときには大変大事なことですね。

売買契約書や重要事項説明書には必ず記述されている

この危険負担の取り決めについては、必ず売買契約書や重要事項説明書に記述されているはずですから、倍浴び契約の前に読んで理解しておきましょう。各条文に見出しが付いているときには、「危険負担」と記述していることが多いので、契約書のどの部分であるかわかりやすいですが、こういった見出しが付いてないこともあるので注意深く確認してください。

一般的に内容は以下のような記述となっています。

<危険負担の事例>
本物件の全部または一部が、引渡し日までに天災地変その他当事者の責任に帰さない事由により、滅失又は毀損したとき、その損失は売主の負担とし以下の各号に従うものとする。但し、買主は売主に対して損害賠償請求をすることはできないものとする。
(1)滅失した場合、売主又は買主は本契約を解除し、売主は受領済みの金員を速やかに買主へ返還する。但し、利息は付けない。
(2)毀損した場合、売主は事故の負担において本物件を修復し買主に引渡すものとする。但し、売主は修復に要する期間を限度として引渡し期日を延期することができ、買主はこれを承諾するものとする。
(3)前号の場合、毀損が甚大なものであり修復に多額の費用を要するときは、売主は本契約を解除し、(1)に従って処理することができるものとする。

上の条項は引渡し前のことを記述しておりますが、引渡し後のことについては以下のように記述されているはずですから確認してください。

本物件の全部または一部が、引渡し日以降に天災地変その他当事者の責任に帰さない事由により、滅失又は毀損したとき、その損失は買主の負担とする。

文面には多少の違いがありますが、こういった内容になっているかどうかチェックしてください。

引渡しの前後で負担者が変わる

前述のような危険負担の文章例ですが、その内容についてもう少し解説しておきましょう。

引渡し前は売主の負担

売買契約をしてから引渡しをするまでの間におこったことは、売主の負担となっています。引渡しをするまでは、売主の所有物ですから、売主の責任において売買の対象物である住宅を管理しなければなりません。

しかし、天災地変のようなやむを得ない事情で売買の対象物に問題が生じたときは、その住宅の状態に応じて対応を取り決めているのです。

住宅が滅失してしまったときにまで、売主が元の状態に戻して買主へ物件を引渡す義務を負うのは責任が重すぎますから、滅失したときには売買契約をなかったことにすることができるのです。買主から見ても、滅失した物件を引渡してもらうことはできませんから、無かったことになった方がよいですね。

滅失ではなく、部分的に毀損してしまった場合はどうでしょうか。

補修して引渡すことが可能なものであれば、売主の負担で補修して、買主に引渡す義務を負う内容になっています。ただ、補修するためにはその被害程度によっては時間がかかることもありますから、引渡し時期が延期になることについては買主が了承しておきましょうね、となっているわけです。

滅失していないとはいえ、被害が非常に大きくて、売主が補修することが経済的に、物理的にも困難な状況も考えられます。そのようなときには、滅失した時と同じように契約をなかったものにすることができるのです。

引渡し後は買主の負担

引渡し後に天災地変などで滅失や毀損した場合は、買主がそれを負担しなければなりません。既に買主の所有となっているので、管理責任も買主が負わなければなりませんが、やむを得ないような大地震のときでも買主が負担せざるをえないのです。

建売住宅で建物に瑕疵があるなら売主負担の可能性

新築の建売住宅を購入したときで、引渡し後の地震等で建物がダメージを受けることも考えられます。この場合においても、引渡し後であれば、買主の負担となることが原則です。

しかし、建物に施工不良があって、地震によってそれが症状として現れたという事例もあります。このようなときには、売主が瑕疵責任を負わなければならない可能性もあります。

但し、売主がそれを認めない限り、買主が施工不良を証明しなければならないため、対応が容易ではないという問題もあります。

住宅購入後に大地震が発生するということは、これからマイホームを購入する人の誰にでも起こりうることですから、万一に備えて売買契約時にその内容をよく把握しておきましょう。

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