住宅ローン負担に影響する3つの項目とは?

家づくりにあたって住宅ローンの組み方やその後の住宅ローン負担は悩ましい問題ですので、今回は住宅ローン負担に影響する3つの項目を取り上げてみましょう。3つの項目とは、「借入額」・「金利」・「期間」になります。

1.借入額

借入額が多いと支払う利息も多くなり、逆に借入額が少なくなると支払う利息も少なくなります。

例えば、金利は長期固定で1.5%、期間は35年とし、借入額を2,000万円と3,000万円とした場合で比較してみると、借入額2,000万円のケースだと余分に支払う利息は572万円で済みますが、借入額3,000万円のケースだと858万円も余分に利息を支払う必要が生じます。

借入額を少なくし住宅ローン負担を軽減するためには、頭金を多く用意する必要があります。ご両親からの贈与や結婚後に家づくりをされる方は、お互いの独身時代の預貯金を頭金に充当できないかを検討する価値はあるでしょう。

2.金利

住宅ローン金利が高くなると支払う利息も多くなり、逆に金利が低くなると支払う利息も少なくなります。

例えば、借入額は3,000万円、期間は35年とし、長期固定金利を1.2%と1.5%とした場合で比較してみると、金利1.2%のケースだと余分に支払う利息は675万円で済みますが、金利1.5%のケースだと858万円も余分に利息を支払う必要が生じます。

金利を低くし住宅ローン負担を軽減するためには、長期固定金利のフラット35や変動金利でも金融機関によって金利は違いますし、年収や借入額が同じでもお勤め先や勤続年数などによっても適用される金利が異なりますので、比較検討したほうがよいでしょう。

3.期間

返済期間が長くなると支払う利息も多くなり、逆に返済期間が短くなると支払う利息も少なくなります。

例えば、借入額は3,000万円、金利は長期固定で1.5%とし、返済期間を25年と35年とした場合で比較してみると、返済期間25年のケースだと余分に支払う利息は599万円で済みますが、返済期間35年のケースだと858万円も余分に利息を支払う必要が生じます。

返済期間を短くし住宅ローン負担を軽減するためには、返済期間を短くした場合の毎月返済額が家計に与える影響を考えることが大切です。返済期間を短くすると総返済額は少なくなりますが、毎月返済額が増えてしまうからです。

上記の例だと、返済期間35年のケースで毎月返済額は91,855円ですが、返済期間25年のケースだと119,980円と結構な差がでます。

住宅ローン負担に影響する3つの項目である「借入額」・「金利」・「期間」ですが、借入額が少なく金利も低く期間も短くできれば、住宅ローン負担は軽減されます。

しかし、住宅ローンは家づくり後のライフプラン(=将来計画)に大きな影響を及ぼしますので、住宅ローンを検討する前に、まずはライフプランを作成するようにしましょう。そうすると、後悔のない家づくり、家計に見合った予算や住宅ローンの組み方が出せると思います。

<執筆者>
・執筆者:長谷剛史
・所属会社:長谷ファイナンシャルプランナー事務所
・主な資格:ファイナンシャルプランナー(CFP・1級FP技能士)、住宅ローンアドバイザー

<執筆者のプロフィール>
住まい・資産運用・保険3つの分野に強いファイナンシャルプランナー。ライフプランを中心とした総合的な観点からアドバイスを行う。

長谷ファイナンシャルプランナー事務所