内覧会が、購入した住宅の引渡しを受ける前に、購入者がその品質(施工精度など)、不具合の有無などをチェックする機会であることは既に書いた通りです。そして、多くの住宅購入者が第三者の専門家に内覧会への同行・立会いを依頼していることも書いた通りです。
しかし、同じ内覧会であっても、マンションと一戸建てではチェックできる範囲に大きな違いがあるため、専門家を同行してチェックしてもらうことの意義も異なってくることを知った上で、専門家への依頼の是非を判断された方が良いでしょう。
マンションでは、建物の完成後にチェックできる範囲が非常に限られています。専門家を同行したとしても、構造躯体部分を検査することは通常はありません。専有部分(室内)の内装仕上げ材の品質のチェックや水周り設備や建具などの動作チェックが主となっています。
検査に大きな費用をかければ、鉄筋探査やコンクリート強度試験など専門的な検査を行うこともできますが、通常、内覧会ではそこまでしません。また、自分が購入した専有部分だけそのような専門的な検査をしても、あまり意味はありません。
ここまで書きますと、マンションにおいて内覧会に専門家を同行する必要がないと主張しているようですが、実はそう断定しているわけではありません。マンションの内覧会に関する事実をよく理解して、必要かどうかを判断して頂ければ良いかと思います。
マンション内覧会の事実
- チェック対象が内装仕上げや一部の設備に限られる
- キズや汚れ以外は内覧会で指摘していなくとも、入居後のアフターサービスで補修してもらえることも多い
- キズや汚れ以外は内覧会で指摘していなくとも、入居後のアフターサービスで補修してもらえることも多い
専門家を内覧会に同行するメリット
- 入居後に売主・施工者と補修交渉する面倒さを回避できる
- 一般の方が気づかない点も指摘してもらえる
- 売主や施工者に誤魔化されない
買主が指摘しても、よく施工者は「そんなものです」と言うものですが、それが妥当なもの一般の方には判断がつきません。第三者を内覧会に同行するメリットはこういったところにあるとも言えます。
一戸建てに比べてチェック範囲が限られることも考慮して、同行の是非を検討されると良いでしょう。