仕様書とは具体的な工事の内容・方法を記載するもので、図面で表せないようなことが含まれています。図面だけでは表せない部分について、建築会社(施工者)や不動産会社と施主(または住宅購入者)がトラブルになる事例は多いことから、仕様書は設計図書のなかでも大事な書面であると言えます。

建売住宅を購入するときには、分譲業者(建売業者)が作成している標準仕様書というものを見かけることが多いですが、それはその分譲業者が分譲する住宅で横断的に使用している仕様書です。つまり、どの住宅も同様の仕様としているため、コストを抑えることができたり、仕様を共通化することで現場(現場監督など)に対して仕様を徹底させやすくしたりできます。

住宅金融支援機構の標準仕様書(フラット35対応の住宅工事仕様書)は、業界内の信頼性も高く、必要なことが多く網羅されていることからも一般的に安心感のあるものです。建築会社によっては、この住宅金融支援機構の標準仕様書と同じ仕様とする会社もあります。他には日本建築学会が標準仕様書もあります。

また特記仕様書というものがあることもあります。これは、標準仕様書などで共通して定めている事項と異なる仕様を指定するもので、特定の現場についてのみ補足や標準仕様からの変更内容などを記載します。

ちなみに、仕様書には、工事の概要や注意事項、具体的な施工方法のほかに、使用する材料についても記載されますが、建売住宅で分譲業者(建売業者)が作成している標準仕様書には、詳細が記載されていないことも多いです。

次は、「住宅の平面図と平面詳細図の見方とチェックポイント」です。

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