専門家が検査すれば実際に施工不良やなどの指摘があるのかどうか気になるところですね。ましてや新築住宅にも関わらず、そんなに施工不良・欠陥工事があるとは信じられないという方もいらっしゃるかもしれません。

不動産会社やハウスメーカー、工務店からは、「自社で検査しています」「瑕疵保険の検査が入っているので大丈夫です」などと説明を受けている方も少なくないでしょう。

しかし、自社検査は第三者としての機能が無いために検査が甘くなったり、実際には名ばかりの検査で大したことはしていなかったりすることも多いです。瑕疵保険の検査は簡易的なものですから、これで施工不良・欠陥工事を防ぐのは初めから無理なものなのです。瑕疵保険やその他の検査を受けているにも関わらず、多くの指摘事例が見つかっていることが現実です。

それでは、ここでいくつかの施工不良などについて実例をあげてみます。これらは、すべて瑕疵保険や建築会社の自社検査で見逃されていたものです。

実例1:和室の畳下地のカビ

和室の畳をあげて目視調査を行った際に、下地材にカビが確認されることがあります。カビは増殖していくために、早期の発見・対応が大事です。以下の写真は実際に内覧会立会い・同行サービスで見つかった下地材のカビの様子です。

カビ

新築であってもこのようなカビが発見されることがあります。原因はいくつか考えられますが、搬入・設置工事中や設置後に雨に濡れた可能性が一番に考えられます。梅雨時に建築する現場では特に注意が必要です。

実例2:屋根裏の雨漏り

内覧会では屋根裏スペースの調査も重要なポイントですが、その屋根裏で染みが見つかることがあります。水に濡れたような痕です。雨漏りの場合もあれば、結露の場合もありますし、建築中の雨で濡れた痕の場合も考えられます。染みが発見されたときに、原因がこれらのいずれであるか断定できないこともありますが、いずれにしても売主等に対応を求める必要が出てきます。

雨漏り

上記の実例写真では、広範囲に雨漏りの痕が見られます。これも新築住宅ですが、実際にこのような住宅があったのです。

実例3:バルコニーのビスの締め不足

この実例は写真で見ると大した問題ではないようにも見えるかもしれません。バルコニーに面したサッシの下側にあるビスの写真です。

ビス

室内からバルコニーへ出る時にまたぐ箇所の下側をバルコニー側で屈んで目視確認できる部分です。ビスがきっちり締められていないことがわかりますね。1~2カ所、ちょっと緩んでいるぐらいで問題ないのではないかと感じられるかもしれませんが、実はこれが大きな問題なのです。

防水層を貫通しているビスの周りがコーキングも施工されておらず、この部分から雨が侵入してしまい壁内へと漏水してしまうことがあります。バルコニーに降ってきた雨がバルコニーの床で跳ねて侵入する経路です。特に強い雨の日に雨漏りとなりやすく、しかも気づくのが遅いと壁内から床下や室内へ漏ってくることもあります。

ビスの緩み1つが大きな問題となりうることもあるため、注意が必要です。小さな指摘ですが、大きな問題であることは住宅においては非常に多いです。こういったことを専門知識を持たない買主が判断することは難しく、気になることがあって売主や工務店に伝えても「大丈夫です」「許容範囲です」といった回答をされ、その妥当性を判断することもできません。

大きな買い物ですから、内覧会では専門家に同行してもらうサービスを活用されると良いでしょう。

ホームインスペクションのアネスト

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