建売住宅のオプション工事

建売住宅を購入する前に注意してほしい点として、オプション工事の有無のチェックがあります。言い換えれば、標準仕様にどこまでのものが含まれているかチェックするということでもあります。

建売の魅力はローコスト住宅であること

建売住宅のなかには、その「安さ」が魅力になっているものも少なくありません。いわゆるローコスト住宅と呼ばれるものが、建売住宅の代表格のようになってきています。

それらは、「これは常識的に必要だ」と考えるものを標準仕様から無くしてしまい、コスト低減を図っていることが多いです。多くの買主にとって常識のつもりであっても、必要ないと考える方が実際にいます。結局のところ、個々によって判断がわかれるわけです。

オプション工事に注意

必要な可能性が高いにも関わらずオプションになっていることが多いものの代表格は、網戸です。

戸建て住宅であれば、多くの方が網戸は必須だと考えておりますが、建売住宅のなかには網戸が標準仕様になっていないこともあります。住宅診断(ホームインスペクション)の際に付け忘れかと思って指摘したところ、売主から「別途有償のオプション工事です」と説明を受けたことがあります。

蚊や虫が室内へ入ることを前提とした住宅なのでしょうか、共生するとでもいうのでしょうか。疑問を感じる仕様ですが、売買契約書にも「網戸はオプション工事」と明記されていました。

次に雨戸です。昔ながらの雨戸というよりも今の住宅はシャッターになっていますが、これが無いことは少なくありません。今では防犯上の役割も期待されているものですし、注意して確認しておきましょう。

ほかにも電気回路数を少なくしておいて追加をオプションとしていたり、コンセントの数が少なくて追加をオプションとしていたりすることもあります。

外構工事がオプションということは多いですが、こだわりを持って外構を決めたい方にとっては好都合とも言えます。

また、窓があるからという理由でトイレに換気扇が無いこともありましたが、風があまりない日にキッチンで換気扇を使用していると臭気がキッチンやリビングへ流れてくることもあります(「建売住宅ではトイレの換気扇の有無をチェック」参照)。

売買契約書等でオプションをチェック

網戸のところで書きましたが、こういったオプション工事の内容によっては、売買契約書に明記している項目もあります。一般的には付いていると考えられるものが付いていないと売主と買主の間でトラブルになることもあるでしょうから、よくトラブルになるものを明記しているのかもしれません。

しかし、売買契約書は契約するときまで見ないため、購入判断をする段階で確認しておきたいものです。

この確認は、図面や仕様書で確認する方法が確実です。売主や不動産仲介業者に図面・仕様書を用意して頂いて、その仕様をチェックしてください。しかし、問題となるのはこの確認方法そのものであることもあります。

一般的には有りそうなのに付いていないものは、ローコスト住宅によく見られる傾向があります。コストを抑えるための努力の成果(?)とでも言えばよいのでしょうか。

ローコスト住宅の売主は、図面を要求しても提出して頂けないこともあるため、書面で確認し辛いという問題があります。完成物件であれば、現地で見て確認することもできますが、建売といっても未完成の状態で販売している住宅が多いですから、図面での確認をしたいところです。

図面等の書面でも確認できない場合には、買主が必要なものリストを作成しておいて、1つ1つ確認しておくとよいでしょう。

ローコストであることが悪いわけではないのですが、ここで取り上げた仕様レベルについては、売主に説明しておく責任があると言えますし、不動産仲介業者も説明しておくべきことでしょう。ただ、現実には説明がしっかりなされていないこともあるため、買主は自己責任で注意深く確認する意識をもっておきましょう。

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