建売住宅は危ない?

建売住宅に対して、あなたかどのようなイメージをお持ちでしょうか。

ホームインスペクション(住宅診断)サービスを行うなかで、建売住宅の購入者の方からは、

「注文住宅より安い」
「建売だから少々、工事が粗くても仕方ない」
「建売は安物」

などというご意見を伺うことがあります。これと同じような印象を持っている人は決して少なくはありません。

このなかで、注文住宅より安いというのは、確かに多くの場合においてそうです。もちろん、建売住宅でもいろいろあるので、大手ハウスメーカーの建売住宅の方が工務店に建築してもらった注文住宅より安いというのはよくある話です。

しかし、「工事が粗くても仕方ない」というのはちょっと違いのではないかと思うのです。

建売だから仕方ない?

最初に挙げた建売住宅に対する3つのイメージのうち、1つ、非常に気になるのは、「建売だから少々、工事が粗くても仕方ない」というご意見です。なんと言いましょうか「建売住宅へのあきらめ、妥協」というものを感じます。

建売だから少しくらい手抜き工事があっても仕方ない
建売だから注文住宅より雑になるものだ

といった「建売だから~~~」というのは、特に根拠もない乱暴な意見であり、印象です。

建築会社は、その施工をプロとして引き受けた以上、品質管理をしっかり行うべきですし、真面目な会社はそうしています。そうすることが当たり前のことだと考えている会社も多いです。

施工品質が悪ければ、しっかり指摘して補修してもらうべきですし、買主がそう主張するのは当然のことです。建売住宅だからと言って、売主や工務店に対して遠慮する必要はありません。決して「仕方ない」と妥協することのないようにしてください。

建売住宅は危ないとは本当か?

さて、もう1つ気になるご意見を頂くこともあります。それは、「建売住宅は危ない」というご意見です。この場合の「危ない」とは、欠陥が多いという意味で話していることが多いようです。

毎日のように全国各地でホームインスペクションをすることで、多くの物件を見ていますが、注文住宅であっても、建売住宅であっても欠陥工事がなされていることはあるものです。欠陥は何も建売にだけ生じている問題ではないのです。

「建売だから危ない」とは、まるで欠陥工事の原因が建売であることにありそうな表現にも聞こえますが、そうではありません。

欠陥住宅が出来上がってしまうのは、設計や施工、そしてそれらの管理に問題があることで生じるものであり、建売とか注文建築という形態は関係ないのです。何かと誤解や先入観が多いものですね。

「建売だからこんなもの」に騙されるな

筆者は、ホームインスペクション業界に入る前には、不動産会社で営業の仕事をしていました。いろいろな不動産業界の人たちに出会いましたが、建売住宅を売った後に買主から建物の不具合についてクレームが入ったとき、「建売だからこんなものですよ」と言っている現場に遭遇したことがあります。

そのような乱暴な表現で、売主や不動産仲介業者が買主を説得しようとすることが現実に起こっているのです。これは、説得というよりも誤魔化そうとしている状況ですね。

今でも、一部の営業担当がこのようなことを言うことがありますが、そんなフレーズに騙されることなく、不具合は不具合だとしっかりと主張して補修などの対応を要求してください。

今回は、「建売が危ない」とか「建売だから仕方ない」などという間違った考えをしないこと、不動産会社の誤った説明に騙されてはいけないことを解説しました。しっかりと意見を言えるようになってください。

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