新築マンションの営業マン

新築マンションの販売現場では、営業マンが何とかマンションを売ろうとして、あの手、この手を尽くしています。売る立場だから当然はあるのですが、高額な不動産を購入する身としては、安易に信用し辛いところですね。

マンションを購入するときには、売る側の気持ち・事情・テクニックなどを知っておくことで冷静な判断に役立つので、ここで紹介しておきます。

マンション販売センターの「バラ」の謎

マンションの販売センターへ行った時、販売区画の絵(住戸の表)を見た事がありますか。あの貼り付けてあるバラは何だと思いますか。

正解は発売した住戸の申込み、成約になった印です。

不動産の販売会社により多少ルールは異なりますが、販売の時期を数回に分けていますので、各販売期に発売の住戸に対して、購入希望のお客様がお申込みをした所にまずバラを貼っていきます。(申込みと成約が同じ色のバラの不動産会社もあれば、色を変える会社もあります。)そして成約になった住戸の所にバラを残しておきます。

では、バラの色を変えない会社を例にしてみましょう。

基本的には、住戸の申込みは「現金」「住宅ローン」「買い替え」「買い替え+住宅ローン」という資金計画の方が殆どです。

購入の意思、資金が決まっていれば不動産会社が申込みの受付をして、住戸の申込書の1番と入った申込書を交付します。一つの住戸に2組以上の申し込みがあった場合、2組目のお客様に申込番号2番を渡します。3組目以降も同様の手順で購入希望者に対して申込番号の入った書面を交付していきます。

そしていよいよ抽選となりますが、発売する住戸に対して申込みが1組のお客様なら、無抽選で当選。2組以上の希望者があった場合は抽選となり、抽選器に希望者数の分だけ数字を振った球を入れ、廻したあと最初に出た数字が当選番号となります。

当選した方に順次、担当営業から電話をして当選を伝えると共に購入意思の確認、今後のスケジュールを伝えます。

この電話をする時がまた担当営業は緊張する時です。何しろ連絡がつかないと、この当選した方の次点になる方へ連絡ができないからなのです。

遅くなればなるほど、次点以降の購入希望者が他に逃げるのではないかと上司が心配し、
「まだ連絡がつかないのか」と急かすのです。

お客様だって仕事の都合もあるし、電波の通じない所に居る時だってあるのに、自分の都合だけで言うのです。大体はその日のうちに連絡がついて一安心なのですが、翌日持ち越しという場合もありますから、抽選日はお客様のみならず売る側も「ハラハラ」する日なのです。

抽選では手付金の額は多いほど欲しい住戸が当たる?

前回のお話はバラについてでした。その中で抽選の事に触れましたが、手付金が多いほど抽選に当たりやすいかどうかというお話です。

答えは手付金の多少には関係無いという事になります。

不動産を購入(契約)する際は、手付金が必要です。そこで手持ちの資金を手付金として支払う訳ですが、基本は売買金額の10%を振込みます。(現金で支払をする場合もあります。)手持ちのお金がそこまで無い場合、売買金額の5%程度でしょう。

抽選の当選確率を上げたいからといって、手付金を多くしても意味がありません。むしろ「金を積むから当てろ」という人は、ルールにのっとった行動をしないという事を自ら示すもので、売る側からすれば警戒すべき人という事になります。

抽選になっても当たりたいというのは人情ですが、正規の流れに沿って行動することをお勧めします。

手付金イコール自己資金とは限りませんが、住宅を購入するのであれば自己資金は多ければ多いほど良いものです。

借り入れが多ければ金利負担が増えますし、身内の資金援助が多いと相続時精算課税制度の精算対象額が増えるという点には注意が必要です。

新築マンションの抽選器って公平なの?

今回のお話は、マンションの抽選に際し、当たりやすい・当たりにくいということが実際にあるのかというお話です。

答えは基本的には公平だということです。

今までマンションや一戸建てを購入しようと思って、抽選に参加した方は公平性に疑問を持つのは当然ですね。私が関わってきた物件では基本的に公平公正でやってきました。

抽選になる前に、なるべく倍率が高くならない様ご検討中の皆様に「営業」をしてはおります。同じ住戸への申し込みが重複するよりも、買主によっては当選確率があがりますし、販売する側にとっても効率的な販売活動ができるからです。

一部の不動産業者で、抽選について不正があるような噂が出ていますが悲しいですね。例えば他住戸でも購入しそうな方は抽選で落としてしまったり、年収等の条件が良い方を優先したりということです。

このようなことは、倫理観やコンプライアンス(法令順守)の観点からもあってはならない事です。

しかし、繰り返しになりますが、通常は公平になっています。では、なぜ公平かということで、販売の流れについて見ていきましょう。

まずとある住戸の販売の受付を開始します。そのとある住戸に購入希望者が複数名重なったとします。

受付方法については、不動産会社で多少違うかもしれませんが、各販売住戸について購入申し込みを受付けます。

○○年×月△日の□時から受付ならば、最初に○号室に申し込んだ人が申込み番号1番となります。
○号室に申し込んだ人が二人目ならば申込み番号2番となり、三人目以降同様の手順で番号をふります。

数字に拘りがあって、1番でなければダメな人、最後の時間ぎりぎりに申し込む人、倍率を見て申込み予定の住戸ではなく他の住戸に申し込む人など様々です。

いよいよ抽選ですが、抽選器によって出る確率の高い数字が違います。また、物件によってとか、ある人が抽選器を回すと出る確率の高い数字があるというのは本当です。

抽選において不正ではありませんが、偏りがあるのは不思議な巡り合わせです。これもどの申込み番号になるか、更に誰が抽選器を回すのかが「縁」なのです。

購入申し込みをして抽選に参加されたお客様は、不正が無いことを見て頂くために不動産会社の社員がお客様のどなたかを指名し、または立候補していただいて抽選器の確認を促します。上から見たり、下から見たり、様々な角度から見ます。

参加したからには抽選器を回したいところですが、私が販売してきた経験で抽選を自らやってみて、当選した方の記憶がありません。お客様は自分で回して、当たれば嬉しいものの外れたときは後悔がずっと続いてしまうようです。

ここで教訓です。住宅の抽選結果は運を天に任せるしかないのです。あとは抽選にならない、不動産営業の薦める住戸でご自身が気に入ったものを購入するのが良いでしょう。

マンションの販売センターにある模型はどうなるの?

今回のお話は、マンションの販売センターにある模型についてのお話です。

販売センターやモデルルームにある、マンションの全景や数あるタイプの中から、いくつかのタイプの模型が展示されているのを見たことがありますか。

あれは、販売が終了すると殆どの不動産会社では廃棄しているのです。

皆さんは気になった事があるでしょうか。あの模型の価格についてご紹介すると、何と一つ数十万の片手で持てる大きさから○千万円する巨大なものまであるのです。それをゴミにしてしまうなんてもったいない気がする話なのですが、皆さんは価格についてご存知でしたか。

あの縮小模型を見ると、建物のだいたいの感じや造り、色合いがかなり忠実に再現されていて、とても参考になるモノなのです。買う側からしても自分の欲しい物件の全体や、購入したいタイプの模型を見ることができれば安心しますよね。

新築マンションは完成前に販売する青田売りですから、買う側にとっても売り側にとっても重要なのです。

カタログの説明や立面図など見てもなかなか分かりにくいのですが、模型があるお陰でお客様のみならず売る側もお客様と意思の疎通を図る為に、とても役に立つツールなのです。

大規模のマンションや小規模のマンションでも最近はその模型の縮尺に合わせて、道路や駐車場の所にミニカーを配置していますが、お子さんだけではなくお父さんの方も喜んで触ったりしています。

ただ、展示してあるものは基本的に触らない様にして下さい。展示してある模型やミニカーなどの紛失や破損は、後から物件を見にくる方にとっては、元のままにしておいてくれないと参考にできません。

時々屋根、バルコニーの手すり、フェンスなどが壊されて放置してあります。うっかり触ってしまったのは仕方ないにしても、不動産会社の人に申し出てくださいね。たいがい怒りませんから(笑)、補修して引き続き展示します。

そして見事完売しましたら取り壊しとなりますが、それが役割のモノですので引き払う時、不動産会社の人はさようならと見送ります。

もし、あなたが住宅模型好きなら、あの模型製作で生計を立てている人もいますので、仕事で関わってみては如何でしょうか。

ホームインスペクションのアネスト

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