
新築分譲マンションを購入するときに確認しておくべきチェックポイントとして、階高・耐震性・防犯面・入居者層の分布について取り上げて、解説します。
マンションの階高は重要なチェックポイント
マンション購入の際にぜひチェックして頂きたいポイントの1つが階高(かいだか)です。階高とは、各階それぞれの高さのことです。例えば、3階の住戸を購入しようとしているのならば、3階の住戸の床のコンクリートの表面から4階の住戸の同じところまでの高さのことです。
この階高は、いろいろな所に影響してきます。室内の天井の高さや、床下空間の高さ、床コンクリートの厚さなどへの影響です。これらはコスト面を抜きに考えれば、数値が高い方が良いものです。
例えば、室内の天井が高い方が開放感のある室内になりますよね。狭い圧迫感のある空間より開放感のある室内を望む方の方が多いでしょう。また、床のコンクリートも厚い方が、遮音性が高くなり階下への騒音を抑えます。逆に上階からの騒音を抑えてくれるとも言えます。
さらに床の工法を2重床にして床下空間を十分にとることができれば、床下配管の移動可能な範囲が広がることなどによりリフォーム対応が柔軟なマンションにもなります。
階高の高いマンションはメリットが多く、大事なチェックポイントだということがわかりますね。但し、階高は建築コスト、販売価格への影響も大きいため、総合的に判断しなければなりません。
価格の点を考慮せずに階高の理想を言うならば、3000mm以上です。しかし、なかなかこのレベルのマンションは多くありません。そこで、できれば2900mm以上、欲しいところです。こちらも限られますが。最低でも2850mm未満は避けたいところです。
耐震性のチェック
地震大国とまで言われるだけに、マンションを購入する際に「耐震性」について注意される方は多いです。実際に耐震性に優れたマンションか、逆に耐震性に問題のあるマンションかと相談を受けることがあります。
マンションの耐震性に関して一般の方が自ら図面などをチェックして耐震性を正確に把握するのは難しいでしょう。よく地盤が弱いとダメだと思われていますが、日本国内は地盤が弱いところが非常に多く、地盤を最重視してしまいますと購入できる物件が絞られてしまいます(それでも大事なのですが)。大事なのは、その立地の地盤に応じた対策が取られているかどうかということです。
建物の関しては、法規で決められた基準があり、プラン上はこれを満たしたものが建築されているはずです。法規をギリギリ満たしたもの、耐震性にゆとりをもたしたものなどの差はありますが。
マンションであれば、住宅性能評価制度を活用しているものも多いので、その評価項目のなかで耐震等級を見れば参考になります。耐震等級には、1~3まであり等級3が最も評価が高いものです。等級2でも十分に高いという意見が多いです。
しかし、その設計通りに施工されているかどうかは別の問題で、この点をご心配であれば、これを確認するのは難しいことだと知っておく必要があるでしょう。建設会社の自社検査などがありますが、これが適切に行われていることを祈るしかないです。
このように、構造そのものについては、ある程度、売り手、作り手を信じるほかないのが現状でしょう。
防犯面のチェック
マンションを購入するときには、防犯に関することも確認しておきたいところです。防犯といえば、防犯カメラの有無ですがその設置箇所に死角が多くないか確認しないといけません。新築マンションではセキュリティシステムの導入は当たりまえになっていますが、一応、有無を確認しておきましょう。
また、外部の人がオートロックなどの鍵のあるドア以外に侵入できるスペースがあるようなら要注意です。たとえば、駐車場から共用廊下へちょっとした壁を乗り越えれば侵入できるマンションを見かけることがありますが、それではオートロックがあっても無くても一緒です。
次に、敷地内の見通しです。敷地内に死角となる場所があるのはダメです。購入する住戸の玄関からエレベーターホールがまったく見えない場合は、その住戸の防犯性にマイナス影響です。マンション1階のエレベーターや非常階段の入り口が管理人室から見えないといったプランも建物内で侵入者が上階へ移動しやすく防犯上はマイナス要素です。
逆に、マンションの共用廊下やエントランスなどから、駐車場が見渡せるのであれば、車上荒らしに遭いにくいでしょう。
入居者層の分布に注意
購入するマンションの他の入居者について気になったことはありませんか?個人情報を得るという話ではなく、自分たちと同等の生活レベルなのか、家族構成のなのかといったことです。
これを見分けることはそう難しいことではありませんので是非覚えてほしいことです。入居者層の分布、というと分かりにくいですが、つまりどんな人が、どんな家族構成で住んでいるのかということです。
たとえば、ひとり暮らしの若い子がいて、管理組合に全然参加しない、お金持ちばかりが住んでいるため共用部の改善に積極的で何かと費用がかかる、収益目的の購入者が多く人の入れ替わり(賃借人は入れ替わりが多いため)が激しいなどの事象が生じます。
家族構成や年齢層、所有者が居住か賃借人が居住かといった違いは、そのマンションの管理運営、将来の資産価値などへの意識差がどうしても生まれやすいものです。もちろん、皆さんが完全に一致することはありませんが、新築時点でばらつきが多いのはマイナス面も大きいです。
つまり、同じマンションなら、同等な立場で管理などについて話し合えることが理想です。家族構成や所得に大きな違いがある場合は意見が一致しづらいのも無理はありません。また、険悪な関係になってしまうこともあり得ます。
どのようにして、こういったバラツキの有無を見分けるかですが、専有面積や間取りを見ればわかりやすいです。たとえば、40平米以下や1LDK以下の住戸はシングル世帯向けに分譲されていますし、70平米台や80平米台であればファミリー向けだとわかりますね。2LDK~4LDKの間取りもファミリー向けだと解釈できますね。
また、販売価格帯も参考になります。3,000万円台と1億円を超える億ションの購入者では意識差があっても不思議ではありません。