この数年、中古住宅を買う方がその購入前、つまり契約前に購入判断のために住宅診断(ホームインスペクション)を利用する方が急速に増えてきました。大きな買い物をするだけに最終判断をする前のチェックとして住宅購入者にとっては必要なサービスです。

ただ、住宅診断(ホームインスペクション)を利用する方(購入者)のなかには、「売主が気を悪くしないだろうか?」「不動産業者が嫌がらないだろうか?」と心配される方もいらっしゃいます。遠慮されているわけですね。

10年以上も中古住宅の住宅診断(ホームインスペクション)をやってきた経験からお話させていただくと、一般個人の売主が住宅診断(ホームインスペクション)をして気を悪くするというケースはほとんどありません。協力的な方が多いですし、この承諾は比較的簡単に頂けます。もちろん、診断の際に建物の一部を壊したり傷つけたりするわけではないですので、もしご心配されている売主がいらっしゃれば、この点は説明しておいた方がよいでしょう。

 一方で不動産業者の場合は、会社や担当者によって対応がわかれることもあります。今では、買主が「住宅診断(ホームインスペクション)をしたい」と申し出れば、多くの会社、担当者が「わかりました。売主にお願いしてみます。」といった対応をされます。ここで強い拒否反応を示されるような担当者であれば、大事な住宅購入を任せてよい方なのか慎重に検討した方がよいでしょう。

 なかには、「売主が断っている」と虚偽の説明をされる営業マンもいますが、前述したように売主が本当に断るケースはほとんどありませんので、真偽を確かめた方がよいでしょう。物件見学の際に聞いてみるとか、契約の席では売主と面会しますから、その場で質問してもよいでしょう。

 いずれにしましても、大きな資金を投じて(または住宅ローンを利用して)購入する方の安心・安全のためですから、遠慮しすぎる必要はありません。不動産業者は遠慮していると感じれば、そこを突いてくることも多いです。不動産業者にとっては診断結果次第で購入を中止されることを一番恐れているからです。

 また、ここで注意しなければならないのが、不動産業者による誘導です。どういった誘導かといえば、不動産業者の関連会社や提携会社などで行う住宅診断(ホームインスペクション)への誘導です。こういった提携会社などは不動産業者を通じて仕事をもらう関係にあるため、第三者の公正な立場で買主へアドバイスできないことがあります。また、無料で診断できるなどとして、そういったサービスへ誘導することも増えているので、十分に注意してください。第三者の住宅診断(ホームインスペクション)のご利用を心がけるようにしてください。

ホームインスペクションのアネスト

ホームインスペクション
第三者の一級建築士が、住宅購入・新築時などに建物の施工ミスや劣化具合などを調査する。新築(建築途中および完成物件)・中古住宅に対応。安心してマイホームを購入できる。