不動産会社が大きな面積の土地を造成(開発)して、綺麗に区割りし、その土地を宅地として分譲していることがあります。宅地としての分譲に関わらず、新築一戸建て住宅を建築して分譲する場合もそうですが、このような分譲地においての地盤に関する注意点があります。
開発される前の土地が、もともと平坦な土地であっても地盤については注意しておくべきなのですが、開発前の土地がもし山林などの傾斜地であったならば、十分な注意をしておく必要があります。
傾斜地を開発する場合、切土(きりど)と盛土(もりど)の部分ができます。切土は、斜面を削った部分で元の地盤なので比較的、安心できますが、盛土は土を埋めて斜面を平らにした部分なので、地盤が弱いことが多いものです。
下の図が造成工事をする前の元の土地(傾斜地)だとします。
そして、下の図が造成工事をした後の様子です。切土の部分の土を盛土の方へ埋めて、地面を平らにしています。切土は元の地盤ですから、地盤が強いことが多いこともイメージできますね。それに対して、盛土は新たに地面を形成しているものなので、地盤が弱いことが想像できるのではないでしょうか。
上記のことをご存じの方は多いようですが、では切土だから安心なのかといえば、そうとも限りません。1つの区画の土地のなかに切土と盛土が混在していることもあるからです。
傾斜地を開発した住宅地を購入する場合には、その購入予定の区画が切土なのか盛土なのかを売主に確認し、資料を示して説明して頂くようにしましょう。もちろん、地盤調査を行うことも必須です。