購入したいと考える建売住宅が見つかって、売買契約を交わす前にはいろいろと不安が生じることもあるものです。その不安は契約や取引のこと、物件のことについて知らないことが多いからです。
不動産を買うということは、専門知識が関することがあまりに多いため、知らないことは恥ではありません。やむを得ないことではあります。しかし、知らないまま放置することはリスクを残したまま契約するということであり、後悔することになってしまう可能性もあります。
そこで、建売住宅を契約する前に買主が確認しておくべきチェックポイントを知っておきましょう。契約前のチェックポイントは大きく分けて以下の3つです。
- 売買契約書
- 物件の条件・仕様
- 建物の施工品質
(1) 売買契約書
売買契約書では、取引の諸条件(売買価格・引渡し日など)が決められますが、契約解除や違約金のことなど大事な要素もたくさん含まれています。スムーズに取引が進むときには、問題ある売買契約書であってもその問題が表面化しないこともありますが、買主と売主の間でトラブル等が生じた際にはこの契約内容が大きく響くこともあります。
「売買契約時の注意点(1)契約前に契約書の確認」も参考にしてください。
(2) 物件の条件・仕様
接道条件、道路の種類、権利関係など土地に関連する条件や建物の仕様レベル(使われている材料のグレード等)や間取りの使いやすさなどは大事なことです。間取りについては買主の好みや考え方次第でもあります。
仕様レベル(グレード)は、売買価格とも関係があるものですから、「安い=グレードが低い」ということはある程度はやむを得ないものです。もちろん、企業努力などによって、安くてもグレードが著しく低いとは限りませんので、しっかり見て判断することです。
(3) 建物の施工品質
建物の施工品質とは、施工ミスや不具合などの有無、施工の丁寧さに関するところです。前述した仕様レベルはその建物の耐久性(長持ちするかどうか)に関する項目もありますが、この施工品質も耐久性に強く関係しています。
ひどい場合には購入後すぐに補修工事が多発している建売住宅もありますので注意が必要です。「ローコスト住宅(低価格住宅)だから施工も心配だ」という声を聞くこともありますが、ローコスト住宅でなくても施工が悪いことはあります。建物のチェックは建築知識・経験を必要とするため、建築士へ依頼することも考えてみましょう。
「新築住宅の住宅診断・検査(ホームインスペクション)」も参考にしてください。
建売住宅は物件によっては早期に売れることも多いため、契約前に不動産仲介業者や売主に焦らされることも少なくありません。とはいえ大きな買い物でもありますので、上記3点についてはよくチェックしてから契約されるとよいでしょう。