住宅選びは、あなたの人生を大きく左右する大きなイベントです。そして、多くの方の人生にとって住宅購入ほど大きな買い物はありません。
さらに、一度、購入してしまったら、その後、簡単には住宅に関する方針を転換できませんから、失敗を避けなければなりません。ここで言う転換とは、買い替え、住み替えのことです。多くの場合、大きな値上がりを期待できない日本の住宅市場ですから、買い替えや売却は大きな資産損失になる可能性が高いからです。
それだけ住宅購入とは、大事な大事なイベントであるにもかかわらず、意外なほど簡単に住宅の売買契約や建築工事請負契約を結ぶ、つまり家を買う方が多いことに本当に驚きます。
これだけリスクの大きい買い物は、一般家庭の人生においてはなかなかありません。そのリスクを負うことを簡単に、例えば「毎月の家賃がもったいないから」という理由だけで住宅探しを始めて、2~3物件を見学しただけで購入の決断をしてしまうなんて信じられません。
よく「物件を見過ぎて迷ったらマイホームを買えなくなる」という方がいます。
確かにそういう面はあります。しかし、それはあくまで売る側のセリフであり、早く買って欲しいと考えている人の都合で話していることも少なくありません。
これからリスクを負って購入する立場としては、いろいろな物件を見てしっかり迷うことも大事です。どんなに少なくとも5物件以上は見学してほしいものです。
また、新築マンションを希望していても、戸建てや中古住宅も見学してみてください。もちろん、その逆もです。実際に物件を見ることによって考え方が変わることだって十分にありえることです。何も最初の考えに固執する必要はありません。
住宅購入の最初の心構えは、後悔しないためにも「しっかり迷うこと」です。これにより、住宅を見る目も養われ、あなたにとってより的確な購入判断へと導かれるでしょう。迷うことは悪いことではありません。