住宅を購入するときや建替えするときなどに利用されるホームインスペクション(住宅検査・住宅診断)ですが、その利用目的として多いものは何でしょうか。2003年以来、ホームインスペクションの分野で活躍し大変多くの実績があるアネストブレーントラストに寄せられる相談からランキングを作成してみました。
ホームインスペクション(住宅検査・住宅診断)の利用目的のランキング(Best3)
- 中古住宅の購入判断のため
- 新築住宅(完成物件)の引渡し前に自分で検査(チェック)できないから
- 施工ミス・欠陥・手抜き工事を無くすため(減らすため)
以前は、上記で2番の「新築住宅(完成物件)の引渡し前に自分で検査(チェック)できないから」が最も多く、購入した新築住宅の完成後・引渡し前の第三者検査として利用する人が飛びぬけて多かったものです。
この利用目的の方は今も増え続けておりますが、それを追い抜いて増えたのが上記で1番にランキングされた「中古住宅の購入判断のため」です。中古住宅を買う上で、古くなった建物に不安を持つのは当然のことです。
それでも以前は「古いのだからある程度は仕方ないか」といった諦めがあったのですが、今では古くても建物の状態の良し悪しによって購入後のもちや補修費用の負担が大きく異なるという認識が広がり、中古住宅購入前に専門家に見てもらう人が増えました。同じ中古住宅でも、建物の状態次第でその後の負担が大きく違ってくるわけです。
上記のランキング外では、「建物が古くて建替えすべきかリフォームすべきか検討するため」「住んでいてちょっと気になる箇所(例:外壁のひび割れ)があるので確認するため」「一度も専門家に見てもらっていないのでなんとなく心配だから」「10年保証の保証期間が切れる前に診断してもらいたいから」といったような既に居住しているご自宅のホームインスペクション(住宅検査・住宅診断)を希望する人も非常に増えています。
住宅を購入するときや新築するときに利用するものだったホームインスペクション(住宅検査・住宅診断)ですが、今では自宅のために利用するケースも増えており、今後は利用目的がさらに広がっていく傾向にあるのは間違いありません。
最近では、しばらく使用せず空き家にしている住宅を診断してほしいという要望もあります。空き家問題が注目を浴びる中で、拡大していく分野でしょう。
次に、中古住宅の購入判断のために利用されることが多くなったことに関連して、中古住宅を購入するときに心配なこととして挙げられることを見てみましょう。
中古住宅の購入時に心配なこと
- 建物があとどれくらいもつのか知りたい
- どこを補修しなければならないか知りたい
- 補修箇所の重要度を知りたい
- 補修費用がどれぐらいかかるか知りたい
- 購入してすぐに漏水などの問題が起こらないか心配だ
- 不動産会社の説明が本当か不安だ
- 住宅ローンを返済できるのか心配だ
- 今が購入すべき時期か判断できない
- 新築のほうがよいのではないかと迷う
上記はランキングではなく、多く寄せられる不安、心配事を並べたものです。見ての通り、建物やその補修に関することが多く挙げられています。買った後の補修やメンテナンスはコストがかかることから、それを心配しているということです。
もちろん新築住宅を購入しても将来的には同じようなコストがかかるものです。ただ、買ってすぐかかるコストにはより過敏になるのは当然のことでしょう。それだけに中古住宅を購入する方にとっては重要な関心事となるのもわかります。特に、住宅購入の資金計画にゆとりがない場合、たとえば預金の大半を購入時の頭金や諸費用に使紆余碇であれば、購入直後の想定外の支出には困るものです。
その結果として、「ホームインスペクション(住宅検査・住宅診断)の利用目的のランキング(Best3)」のように、ホームインスペクション(住宅検査・住宅診断)は「中古住宅の購入判断のため」の利用が増えているのです。