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荒井康矩の住宅コラム

中古マンション購入 + リノベーション の注意点


 中古マンションを購入してリノベーションをしようと考えている方が購入前に注意しておくべき点について考えてみます。

・間取り変更の自由度

 まずは、間取り変更が自由にできるマンションであるかどうかのチェックが重要です。購入後は自由に間取り変更できるものだと思っている方もいらっしゃいますが、構造的な制約で思い描いている変更をできないことは少なくありません。

 構造上有効は壁を撤去したり移動させたりすることはできませんし、配管の位置関係を理由に水周り設備を自由に移動できないこともあります。仕上げ材(壁のクロスや床のフローリングなど)を変更するだけの簡易なリフォームと異なり、水周り設備の移動を伴うリノベーションをされる方にとっては、配管の問題が壁となることはよくあります。

 多くの場合、配管は床下に設置されていますが、床の工法が2重床でなければ配管を自由に配置できません。さらに、排水管には勾配をつけなければいけないため、配管距離が長いほど床下の高さが必要となります。よって、2重床であってもその高さや希望のリノベーションによっては対応できないこともよくあるものです。

 古いマンションでは、配管が階下の天井裏に配置されていることもあり、その場合はさらに難しくなる(無理なことが多い)ので注意が必要です。

 水周り設備のことを考えただけでも、リノベーションに向かないマンションはよくあることですから、中古マンションを購入する前に確認しておきましょう。

 不動産仲介の営業マンにこのことを理解して、適切なアドバイスをできる方は少ないため、できればマンションに詳しい専門家に調査して頂くことも検討しましょう。購入後に希望のリノベーションができないようでは、数千万円の購入額(投資)が悔やまれます。

・マンションの遮音性能

 建物のプラン上、物理的に希望のリノベーションが可能であることが判明した場合であっても、すぐに安心できるわけではありません。

 マンションは共同住宅ですから、入居者が互いに配慮しながら居住する(使用する)必要があります。マンションのトラブルに多い問題の1つが音の問題です。「隣がうるさい」「上からの物音が、、、」といった悩みは尽きません。

 つまりマンションの遮音性能の確認が大事だということです。特に、リノベーションにより下階の寝室の上にリビングを配置することで、子供の飛び跳ねる音への下階からのクレームがきたり、逆に上階からの音が気になるということもあります。

 これは、床のコンクリートスラブの厚さや工法の問題ですので、この点をしっかり確認しておかなければなりません。

 物理的にリノベーションが可能だと判断された場合であっても、マンションの遮音性を確認しておくようにしましょう。

・マンションの使用上の制限(使用細則)

 最後に各マンションが定めている使用細則の確認です。使用細則とは、マンションの使用上のルールのようなものですが、なかにはリフォームについての制限が決められていることがあります。

 よくあるルールとしては、床のフローリングに関する制限で、一定以上の遮音等級を有するものの使用が必要なことがあります。ただ、このフローリングの等級に関するルールは基本的には互いの良い生活を確保するために必要なものであり、マイナス事項ではありません。

 しかし、こだわりのあるリノベーションを希望する方にとっては壁となりうることもあるので、使用細則は確認しておいた方が良いでしょう。

 中古マンションを購入し、希望の間取りへリノベーションして暮らす、、、という選択肢は魅力的な選択肢だと考えます。様々なライフスタイルがあり、多様なニーズを満たすためには、決められたプランの新築マンションでは満足できない方にとっては検討したいことではないでしょうか。

 一方で、マンションによっては、希望のリノベーションに向かないものも多いですから、購入前に確認しておくようにしましょう。

荒井 荒井 康矩
住宅コンサルティング会社の経営者

住宅の購入相談、ホームインスペクション(住宅検査・住宅診断)を行う(株)アネストブレーントラストを経営している。

住宅検査・住宅診断のアネスト
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