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荒井康矩の住宅コラム

住宅購入時期は消費税を重視して考えるべきか?


 いよいよ消費税の増税の時期が迫ってきました。2014年4月から消費税が5%から8%へ上がります。2015年10月には、さらに10%へ上がることが予定されています。住宅は元々の価格が大きいだけに3%の増税による影響が大きく、住宅流通量への影響も心配されています。2013年は消費税が上がる前の駆け込み需要も注目されていますね。

 住宅購入を考えている皆さんにとっては重要な関心事になっており、「住宅購入時期は消費税の増税前がいい?増税後がいい?」との相談をお受けすることもあります。

「住宅購入時期は消費税の増税前がいい?増税後がいい?」

 これについて考えてみましょう。

 まず、消費税の増税によってどれだけの税金の負担が増えるのでしょうか。

○新築住宅の場合
 総額 : 4,000万円(内訳→土地:2,500万円、建物:1,500万円)
 現行の消費税 : 75万円
 2014年4月以降の消費税 : 120万円
 増税額 : 45万円

 消費税は建物にのみかかり土地にはかかりませんので、消費税は45万円のアップということになります。

○中古住宅の場合(売主が一般個人の場合)
 総額 : 3,000万円(内訳→土地:2,500万円、建物:500万円)
 現行の消費税 : 0円
 2014年4月以降の消費税 : 0円
 増税額 : 0円

 中古住宅を購入する場合で、その物件の売主が一般個人であれば消費税の対象とはならないため、売買代金においては消費税増税の影響は受けません。但し、不動産会社へ支払う仲介手数料には消費税がかかるため負担が増えますが、上記の中古住宅の売買であればその増税分は3万円未満ですので、購入時期を左右するようなものではありませんね。

 中古住宅であっても売主が不動産会社である場合には、新築住宅と同様に建物価格に対して消費税がかかるため影響をうけます。ただ、中古住宅は築年数等にもよりますが建物価格の割合が低いことが多いため影響はそれほど大きくありません。

 例えば、上記の中古住宅の場合で売主が不動産会社であったならば、消費税の増税分は15万円です。この程度の金額はそのときの相場次第で簡単に変わる範囲です。

 つまり、中古住宅の購入を検討している方にとっては、それほど消費税の増税を意識して購入時期を考えなくてよいでしょう。

 それでは、新築住宅の購入時期は消費税を強く意識すべきなのでしょうか?

 住宅ローン減税の影響もありますが、新築住宅であれば数十万円の影響が出るわけですが、「価格相場」のことも考えておかなければならないでしょう。

 もし、駆け込み需要が大きくなり需要の先食いが起こった場合、2014年4月以降はしばらく住宅流通量が低迷する(あまり住宅が売れない)という可能性が高まります。さらに、2015年10月以降はその可能性が高まることも考えられます。

 そのような状況になった場合、駆け込み期限(消費税の増税前)までに売れなかった物件などにおいて、値下げの動きが広がる可能性があります。そうなりますと、数十万円の増税分は簡単に吸収されてしまうことでしょう。

 今、新築住宅の着工戸数は増えています。これは増税前の駆け込み需要を狙ったものもありますし、アベノミクス効果で景気浮揚感を感じている会社・人の判断も影響していることでしょう。この着工戸数の増加と売れ行き・駆け込み需要のバランス次第だと言えるでしょう。

※この記事の執筆時点では未確定ですが、給付金が出る可能性も出てきています。これによっては、消費税増税の影響がほとんどなくなるケースも出てきます。

 ちなみに、ここまでに記載したことはあくまで「お金」のことだけを考えているものです。正直なところ、どちらがお得であるかは断定できないものですし、そもそも不動産は立地等の条件が同じもののない唯一の存在であることも考えれば、消費増税を気にしすぎずに住宅探しをしておき、「本当に良いと思えるものがあれば購入しよう。無ければ消費税の増税後でもいいかな」ぐらいのスタイルでも良いのではないでしょうか。

荒井 荒井 康矩
住宅コンサルティング会社の経営者

住宅の購入相談、ホームインスペクション(住宅検査・住宅診断)を行う(株)アネストブレーントラストを経営している。

住宅検査・住宅診断のアネスト
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