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FP 山下修一の住宅コラム

子どもが独立したご家庭の住まいの買い替え資金計画


 昭和30年代生まれといえば、ほとんどの方は50歳代に入っています。私もその1人(昭和37年=1962年)なのですが、社会人になり3年以内には結婚している友人・知人をよく見てきました。そして1〜2年もすれば第1子誕生という家庭の姿がありました。バブル期と言われる1980年代後半のことです。あれから25年が経ちました。

 そういう背景があってか、昭和30年代生まれのご夫婦からのあるご相談が増えてきています。

 子どもが独立して夫婦2人になったことなので、庭付きの戸建て住宅ではもはや広すぎるし、また管理をしていくのも大変なので、この際に住まいの買い替えを検討したいというご相談です。

 近年、大都市では中心部の再開発が進み、交通や生活の便が良いところにタワーマンションなどが多数建設されてきた(今後も建設される)のはご存知のとおりです。定年退職前の早いうちに自宅を売却して、ご夫婦でそうしたマンションを購入して移り住みたい、つまり終の棲家としての市街地でのマンション暮らしをご選択されるのも当然のことなのかもしれません。

 そうなると買い替えの住宅資金計画が必要になるわけです。定年後の生活も想定したライフプランを考えなければなりません。

 「そもそも可能なのでしょうか?」とか「生活が困らないためにいくらの物件で検討すれば良いのでしょうか? 」 というご質問が投げかけられるのです。即時回答は難しいのですが、ライフプランで見積る必要があるのは以下の項目になります。
(一般的なサラリーマン世帯を想定しました)

a:今後の収入
 □ 定年までの手取り収入
 □ 退職金の手取り収入
 □ 公的年金の手取り収入
 □ 企業年金の手取り収入
 □ その他の手取り収入 (個人年金や養老保険の満期など)

 「今後」はあと何年?と言うのはこれという正解はありません。同年代のご夫婦であれば妻の平均余命を目安するのが無難でしょう。例えば妻が54歳の場合、約34年となります(厚生労働省・簡易生命表・平成24年より)。

b:手持ちの金融資産
 □ 預貯金(定期)や有価証券の時価

c:今後の支出
 □ 基本生活費(住居関係以外)
   夫婦2人となると、子ども独立前に比べると基本生活費が安定しているのが一般的です。
   但し今後は医療費等が増えるリスクや余暇ができる分の趣味やレジャー費も見込んで、
   現状より10〜20%の増加を見ておくほうが無難かもしれません。
 □ 臨時対応費   1年ぐらいの基本生活費を余分に見ておきます。

d:自宅売却時の収支

 □ 自宅の売却後の手取り額 − 売却時の住宅ローン残高

 以上になります。

 そうして人生資金のバランスから、以下の式が成り立つかどうかを一度確認してみてください。

 収入資産(a+b)−支出c+収支d > 買い替え物件に掛けても良い金額(物件価格+諸費用+今後の維持費) 

 そうした結果とともに、キャッシュフローによる資金繰りの検証が必要です。

 収入があるうちならば住宅ローンを組むことが出来ます。その場合は総支払い利息も含めて考えます。要件を満たせば税金面では住宅ローン控除を使うことが出来ますし、自宅の売却損を繰越控除することも出来ます。

 いずれにしても、現役で働ける期間は終わりに近づいているので、リスクが高い物件購入は避けるべきです。今度はマンションであれば一戸建てとは異なる新たな維持費(管理費・修繕積立金・駐車場代)が掛かって来ます。そのあたりもしっかり確認した計画を立てていくようにしましょう。

山下修一
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