構造躯体

筋交い(筋違い)、間柱、金物の施工について説明します。

筋交いとは、柱と柱の間に斜めに施工するもので、耐震性に有効な部材です。かなり古い住宅では、筋交いがない住宅もあります。

新築住宅でも、筋交いの取付位置や取付方法にミスが見られることもありますが、耐震上、非常に大事なものですので、しっかり確認しておきたい工程です。 左の写真でクロスしているものが筋交いです。

筋交いは柱と柱の間に(対角線)に取り付けますが、たすき掛け(クロスするように施工)する箇所(ダブル筋交い)と片掛けする箇所(シングル筋交い)があるので、設計図書と照合しながら工事を進めていきます。

ダブル筋交い・シングル筋交いは「木造軸組工法(在来工法)の構造と各部の名称」を参照

筋交い金物

 筋交いの端は、筋交い金物(筋交いプレート)により柱や横架材(梁など)へしっかり留めておきます。昭和56年以前の住宅であれば、金物を使わず釘だけで留めていることもありますが、今の新築住宅では筋交い金物(筋交いプレート)を用います。

 次に間柱の施工時についてです。間柱は、通し柱や管柱の間に施工されますが、筋交いと交差する箇所があるので、その部分は前もって加工(欠きこみを入れる)しておきます。

金物

 筋交い金物以外にも、柱と梁などの横架材を接合する金物や、柱と梁の直交する部分(南北方向と東西方向の交わる部分)を接合する羽子板金物などの接合金物があり、これらが設置されていきます。

ちなみに、木材が乾燥収縮するために、後の工程で羽子板金物を増し締めすることも忘れてはいけません。

ところで、住宅によっては筋交いを使用しないケースもあります(新築住宅でも)が、これは工法の違いです。壁式工法(2×4工法など)もそうですが、軸組工法の一部で筋交いを使用せずに耐震上、有効な壁(耐力壁)を設けることもあるのです。通常、筋交いのある壁を耐力壁と考えますが、筋交いを用いずに耐力面材を用いる耐力壁もあります。この場合は、釘の使い方などに注意しなければなりません。

ホームインスペクションのアネスト

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