中古マンションを買おうとして広告などを見ると、「リフォーム済み」と記載されていることがあります。既にリフォームされているのですから、その中古マンションを買った後のリフォーム費用が不要となり、綺麗なお部屋でもあるので評判がいいです。

リフォーム済み中古マンションは、リフォーム費用が現金であまり準備できない購入者にとっても綺麗な中古マンションを購入しやすい点も魅力であり、メリットだと言えます。購入価格のなかにリフォーム費用が含まれていますが、それはマンション購入のための住宅ローンで賄いやすいからです。

一方で、リフォーム済み物件を購入する場合のデメリットは何でしょうか。

既にリフォームされている物件ですから、購入者が買った後にリフォームされた箇所を新たにリフォームする可能性は低いでしょう。自分の好きなようにリフォームしたい人にとってはマイナスです。

もっと大事なことは、購入者がリフォームしないということは、購入者がリフォームの工事途中を見ていないということでもあり、そのリフォーム工事中に新たに発見された瑕疵を補修しているかどうか確認できないことにもなります。これが最大のデメリットだと言えます。

リフォームしていく過程では、新たな問題(瑕疵・著しい劣化など)が発見されることがあり、その補修のために追加工事が必要となることがよくあります。もちろん、追加工事費用の負担は辛いのですが、逆に、そのマンションに長く住むことを考えれば安心できることでもあるのです。

リフォーム済み中古マンションであるならば、その大事な機会を失うことになってしまいますので、それをマイナス事項だと考えるべきです。もちろん、売主が発見された瑕疵や劣化などを補修してくれていればよいのですが、見えない箇所にその後に自分自身で住むわけでもなければコストをかけたくないですよね。

賃貸マンションのオーナーも修繕工事のコストを削減することを優先する方は本当に多く、それによって建物の寿命を縮めてしまうことがありますが、それと同じことが起こっているかもしれません。自分の住まいと他人の住まい、意識の違いがあるのは避けられないと考えておいた方が良いでしょう。

これからは、広告で「リフォーム済み」というフレーズを見れば、「綺麗な部屋だな」と思うのと同時に「悪いところが隠れている可能性もあるな」と考えるようにもしましょう。

ちなみに、購入後にリフォームするなら、床・壁などの下地をとったところで、隠れた瑕疵がないかしっかり確認しましょう。

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