新築時の建築確認申請

新築住宅を購入するときや注文住宅を建築するときには、「建築確認申請」という言葉を耳にすることがあるでしょう。この建築確認申請について説明します。

建築確認申請とは、建物を建築する際に建築基準法に基づいて行う申請のことで、住宅の新築に限らずビルなどを建築する際にも申請しなければなりません。基本的に新築以外に増築・改築でも建築確認申請が必要ですが、防火地域及び準防火地域以外で増築・改築等をする場合で、その工事の床面積が10平米以下であれば適用されません。10平米とは、3坪ほどであり畳にして6畳ほどです。

大まかな流れとしては、建築主が申請して、建築基準法や条例、関連法規等に適合しているかどうか確認を受けるもので、建築主事(行政)または指定確認検査機関(民間)の確認を受けて確認済証を交付してもらいます。今ではほとんどの新築住宅の建築確認申請は、建築主事ではなく民間の指定確認検査機関に申請されています。建築確認とは、提出された設計図書の内容が法規等に違反していないかを確認するものです。これはあくまで図面上の確認です。

上記で、「建築主が申請して」と述べましたが、実際には建築士がその業務を代理することがほとんどです。建売住宅であれば、その売主が建築主となりその委託を受けた建築士事務所(設計事務所)が代理申請することが多いです。また、注文建築であれば、その発注者が建築主として建築士事務所(設計事務所)に委託して確認申請をしていただくことになるでしょう。

但し、建売住宅といっても着工前・建築確認申請前に建物のプランを打合せするなどして、注文建築と同様に取引する場合には買主が建築確認申請上の建築主となっていることもあります。しかし、取引の進め方次第では宅地建物取引業法上の問題があるため注意が必要で、建築確認がおりるまでは売買契約を結ぶことはできません。

確認済証が交付されてはじめて工事に着手(着工)できるが、まれに先に基礎工事に着手している現場を見かけることがあります。施主から「建築確認がおりてないのに工事が始まっているようで」と伺うことがありますが、本当に着工しているとすれば、これはいけません。

確認済証が交付されて(建築確認がおりて)着工すれば、しばらくすると中間検査が実施される場合があります。その中間検査で問題なければ中間検査合格証が交付されます。この中間検査はどの住宅でも必ずあるものではなく、自治体・建物の面積・階数等によって異なります。一戸建て住宅では、この中間検査が無い建物も非常に多いですが、中間検査も提出された設計図書の筋交い、耐力壁と一致するかどうかをごく簡単に確認するものであり、施工品質を積極的にチェック(検査)するようなものではありません。

また、建物が完成すると完了検査があります。建築主は、工事完了後に完了検査を申請して完了検査を受けなければなりません。そして問題がなければ、検査済証が交付されます。2000年前半頃までは、都市部を中心にこの完了検査を受けていない住宅も多く見られましたが、そういった住宅は当初の建築確認申請の内容と異なる法規等に違反したプランとなっていることが多いです。ここまでが建築基準法に基づく、建築確認~中間検査~完了検査の流れです。

ここに出てくる建築確認や中間検査、完了検査は、簡単にいえば法基準に適合したプランであるかを確認するものですが、施工ミス(欠陥工事)を防ぐためのものとはいえません。ハウスメーカーや建売業者、不動産仲介業者などが「完了検査を受けているから安全です」などと説明されることが少なくないですが、それは事実とは言えませんので注意してください。施工ミス等を防ぐためには、買主や施主が自ら第三者の住宅検査を利用することも考えるとよいでしょう。

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