住宅の売買契約の流れ(手順)と注意点

はじめてマイホームを買う方にとっては、物件を見学してから契約、代金支払い、引き渡しの流れはイメージしづらいかもしれません。「住宅購入の基本的な流れ」に一般的な全体の流れをまとめていますが、ここでは売買契約に関する部分の流れ(手順)をもう少し詳しく説明します。新築も中古も一戸建てもマンションも対象です。

大事な契約に関することですから、学ぶ時間を惜しまないようにしてください。まずは、売買契約前後の手順を項目だけあげてみます。

  1. 特定の物件の購入を決断する
  2. 買主から売主へ購入の申し込みをする
  3. 売主が買主へ売却する旨を回答する
  4. 売買契約書の作成
  5. 買主が売買契約書を契約前に確認
  6. 手付金や必要書類の準備
  7. 重要事項説明書を見ながら説明を受ける
  8. 売買契約の締結・手付金の支払い
  9. 住宅ローンの申込(本申込)

上記だけでは、それぞれの項目の内容や注意点がわからないため、各項目の詳細は以下で説明します。

1.特定の物件の購入を決断する

様々な物件を見学して気に入った住宅、住みたいと思える住宅に絞り込み、購入を決断します。その後、下記(購入の申し込みや売買契約)へと進んでいきます。第三者の住宅診断(ホームインスペクション)を利用する場合は、このタイミングで住宅診断会社(ホームインスペクション会社)に見積りや対応日程について問合せおくとよいでしょう。

2.買主から売主へ購入の申し込みをする

購入希望条件を記載した申込書に記名・捺印し売主へ提出します。価格交渉をする場合は、この時点で行っておくべきであり、交渉したい購入希望金額を書いて提出しなければなりません。

この購入の申し込みは書面で行うことが一般的ですが、書面化が義務化されているわけではありません。売買契約は書面化が義務化されていますが、これと混同しないようにしましょう。

申し込みの際に、申込金(買付金や購入申込証拠金などと呼ばれることもある)を売主へ支払うことも多く、その金額は10万円程度です。この申込金は契約しないときには全額が返金されるものです。

住宅ローンの利用を予定している場合、この時点で住宅ローンの事前審査(仮審査)を申込するように不動産会社から依頼されることが多いです。この事前審査(仮審査)は金融機関にもよりますが、3営業日程度で結果がわかるものです。

売主によっては、事前審査の結果が出るまで物件をとめてくれないこともあります。とくに不動産仲介業者が買い手と売り手で別々についているときは、買い手の不動産仲介業者の判断で物件をとめないことがあります。

また、第三者の住宅診断(ホームインスペクション)を利用する場合は、申込の前後で利用することが多いです。購入判断の参考とするためにも売買契約よりも前に実施することをお奨めします。

3.売主が買主へ売却する旨を回答する

売主は買主の購入希望条件などを見て、その人へ売却するかどうか判断します。価格交渉が入った場合には、拒否したり、買主希望よりも高い金額を提示してきたりすることもあります。

他にも購入希望者がいれば、売主は条件の良い方を選ぶこともできます。それだけに、不動産会社は「他にも購入希望者がいますよ」などと営業トークをすることも多いですが、事実ではないこともあります。

売主と買主の条件が合致すれば、次の売買契約へと進んでいきます。

4.売買契約書の作成

売買契約書は、不動産仲介業者が1社のみであれば、その業者が作成します。2社が仲介している場合であれば、そのいずれかが主体的に売買契約書を作成し、もう1社はその内容を確認して修正等があれば調整することになります。

売主が不動産会社である場合は、売主が作成して仲介業者へ契約書を提示することもありますし、仲介業者が作成して売主の承諾を得ることもあります。また、売主が不動産会社で買主と直接取引、つまり仲介業者を介していない場合には、売主が作成することになります。

売買契約書が作成されたら、いよいよ売買契約の当日へと進んでいきます。しかし、その前にまだ買主が注意しておくべきこと、やっておくべきことがあります。次の「住宅の売買契約の流れ(手順)と注意点(2)」でこの点から後の流れについて説明します。

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