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中古住宅の売主に注意(瑕疵担保責任を逃れる不動産会社)

中古住宅

中古住宅を購入する方から住宅診断(ホームインスペクション)の依頼をお受けして、資料を見たりお話を聞いたりしたときに、売主について何らかの違和感をもつことがあります。

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買主から「建物が古いので売主の瑕疵担保責任がついていない」とお聞きしたものの、よくお話を聞くと売主はその中古住宅を仲介している不動産会社の社長個人だと言います。その社長や家族が住んでいた自宅を売却するのであればわかるのですが、実際にはそうではなく、別の人から買取りした住宅をリフォームして再販しようとしている物件でした。

形の上では個人が売主となっているのですが、実質的には不動産会社が売主だと捉えることもできそうです。

なぜ、不動産会社の名義で買取りして、その不動産会社が売主となって再販しないのでしょうか?

ここに1つの落とし穴があるのです。住宅を購入するとき、売主が不動産会社であるか、もしくはその他(例えば一般個人)であるかは買主にとって非常に大きな違いがあります。

不動産会社が売主である場合、売主の瑕疵担保責任が必ず引渡しから2年以上の期間、ついています。これは義務です(2年以上が義務ですが、売買契約において2年と定めることが多いです)。

これに対して、不動産会社以外が売主である場合には、このような義務が無いため、売主の瑕疵担保責任を引渡しから1ヶ月や3ヶ月といった短期間とするか、瑕疵担保責任を無し(免責)とすることが一般的です。

売主が不動産会社 ・・・ 瑕疵担保責任期間が2年
売主が不動産会社以外 ・・・ 瑕疵担保責任期間が短期間または無し

瑕疵担保責任とは、その物件に瑕疵があった場合に買主が売主に対して補修を請求することができるもので、買主にとっては大事なものです。瑕疵担保責任があることは買主にとってメリットだと言えます。

一方で売主にとっては、売却した後も瑕疵の責任を求められる可能性があるわけですから、デメリットと言えます。しかも、不動産会社が売主であれば、その住宅を引渡してから2年間もの間、買主から責任を求められる可能性があるのですから、不動産会社にとっては本音では避けたいものです。

売主を不動産会社とせず、個人とするために社長個人を売主にしているケースは、瑕疵担保責任から逃れたいとの考えがあるのです(全てのケースで同じ理由ではない)。そして、こういった物件では、不動産会社が何らかの瑕疵に気づいていて黙っていたのではないかと思われるような事例もあるため、買主は注意しなければなりません。

瑕疵担保責任があってはヤバイ物件だと考えて、名義を個人にしていることもありうるということです。買主が少しでもリスクを抑えるためには、その中古物件を契約するまえに住宅診断(ホームインスペクション)しておくのは有効な手段だと言えます。

ちなみに、売主を個人とするほかの理由も考えられます。1つは税金対策(会社の収益を抑えて税金を減らす)です。

また他の理由としては、売却益以外に仲介手数料を得るためというケースもあります。買主は、売買価格はその不動産への代金として考えますが、仲介手数料は諸費用として考えるため、総額の負担が増えていることをあまり意識しません。これにより、不動産会社は収益を増やすことができるのです。

いろいろな理由で名義を個人としていることもあるため、ここに書いていることが本当の理由とは限りませんが、こういった裏があることは知っておいた方が良いでしょう。

その中古住宅が実質的には不動産会社であるかどうか判断するのは、なかなか難しい場合もあります。不動産会社の社長と同じ名義ならば売買契約書や不動産登記簿を見たときに気づきやすいですが、身内など別の人の名義としていることもあるからです。

不動産会社が売主である中古住宅は、内装などをリフォームしてから販売することが多いため、リフォーム済みの物件であるならば、その可能性も考えましょう。一般的な個人の方が、売るためにリフォームされる人は少ないものです。

執筆者:専門家

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