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中古住宅の引渡しに関する注意点

中古住宅の引渡しに関する注意点

中古物件の売買契約を終えて引渡しを待っている人、もしくは引渡しを受けた直後の人が読んでおきたいコラムです。引渡しに関する基礎的な知識や流れについては、先に「中古住宅の引渡しの流れと基礎知識」を読んでおいてください。

中古住宅の引渡し前の注意点

中古住宅の契約後・引渡し前のタイミングで買主が注意しなければならない点について、解説します。このタイミングで知っておきたいこと、注意すべき点は以下の8項目です。

引渡し前の注意点

  • 必ず現地で境界を確認する
  • 建物の状態を確認する
  • 設備の状態を確認する
  • 資金計画の再チェック
  • 売主の瑕疵担保責任の有無を確認する
  • 住宅ローンを利用しない場合の注意点
  • 住宅ローン控除を受ける条件
  • 引渡しと残代金の支払いは同時に行う

必ず現地で境界を確認する

住宅購入後にトラブルになることはいろいろありますが、境界問題がトラブルに発展することは多いです。境界が不明瞭であったり、隣地の所有者と境界位置について認識がずれていたりすることで、隣地ともめてしまうトラブルがあります。

境界については、引渡し前に現地で確認すると売買契約書に明記されていることが多いですが、書面への記載だけで終わらせずに本当に現地で確認するようにしてください。現地には、不動産会社の担当者にも立ち会って頂いて境界杭の位置などについて説明を受けましょう。

建物の状態を確認する

購入する中古物件の建物についても現地で確認しておきましょう。売買契約の際に物件状況確認書が交付されることが多いですが、そこには建物のことや土地のことなど、対象物件についての状況説明が記載されているはずです。

現地で、この書面の通りであることを確認していき、もし相違があれば不動産会社へ伝えて適宜、是正を求めるなどの対象を検討しなければなりません。

物件を内見(見学)したときに売主が居住中であった場合には、売主が退去して空き家になってから、再度、現地で全体を確認するとよりよいでしょう。物件を内見(見学)したときと引渡し前の状況に変化がないか、気づいていなかった建物の著しい劣化が無いか等も確認してください。

大きな家具や電化製品を撤去したら、壁に雨漏りの痕があったとか、床の腐食が激しいといったこともあります。そういった問題があれば、引渡し前に不動産会社を介して売主と対処について話しておきたいものです。

もし、売買契約の前に第三者のホームインスペクション(住宅診断)をしていなければ、このタイミングで利用するのも1つの方法です。

設備の状態を確認する

現地で建物の状態を確認するときには、設備についても確認していたものです。売買契約の際に付帯設備表という書面が交付されることが多いですが、この書面には売主から買主へ引き継がれる設備や設備の故障有無などが記載されているはずです。

この書面と現況で相違があれば、売主に補修等の是正を求めることも検討してください。

〇資金計画の再チェック

購入する物件が確定すれば、物件探し前や探しているときに考えていた資金計画からのずれを確認し、その後の資金計画についても必要に応じて見直しを考えましょう。特に、中古住宅の購入直後にリフォームする人は多いですが、リフォーム資金を使いすぎないようにすべきではないか、十分にゆとりがあってリフォーム(補修工事を含む)に資金を充てることができるのか、よく検討してください。

売主の瑕疵担保責任の有無を確認する

中古住宅の売買では、瑕疵担保責任は大事なチェックポイントです。できれば、売買契約の前に売主の瑕疵担保責任の有無や期間を確認してから、買主に不利ならば交渉しておくべきことです。もし、既に契約済みであるならば売買契約書で瑕疵担保責任がどのように決められているのか確認しましょう。

引渡し後の注意点でこれに関することが出てきますが、スムーズな対応を心がけるためにも、この時点で内容は把握しておきたいものです。

住宅ローンを利用しない場合の注意点

住宅の購入に際して住宅ローン(金融機関の融資)を利用せず、全額を自己資金で賄う人である場合、引渡し時に金融機関が行う書類の確認がないことになりますから、司法書士の信用度が大事になります。司法書士の大多数は、登記関係の業務を任せておいてよいのですが、一部で不動産会社と結託して悪事を働くことがあります。

登記は権利を保護するためにも重要なものですから、信頼できる司法書士に依頼したいものです。不動産会社の社名や規模だけで判断できるものではありませんが、小規模な不動産会社から購入する場合であれば、なお注意したいところです。

司法書士が本当に資格を有しているのか、また司法書士会に加入しているかどうかは、必ず確認しましょう。

住宅ローン控除を受ける条件

住宅ローンを利用して住宅を購入する場合、条件を満たせば、住宅ローン控除により税金が軽減されます。住宅ローンの金利かそれ以上の金銭が控除されることもあるため、条件に合致しているならば、ぜひ利用したい制度です。

中古住宅の場合、木造住宅であれば築20年以下、耐火建築物(RC造など)であれば築25年以下が1つの条件となっています。しかし、この築年数を超える建物であっても、耐震基準適合証明書か既存住宅瑕疵保険の付保証明書を取得しておれば、住宅ローン控除の対象となるので、要注意です。

しかも、この2つの書面は原則として引渡し前に取得しておく必要があります(耐震基準適合証明書は結果的に引渡し後に取得する場合もある)。引渡し後に気づいても手遅れで、場合によっては100万円単位のメリットが受けられずに後悔する人もいます。

住宅ローン控除の詳細について知識不足の不動産会社・営業マンは多いので、築年数の要件を満たさない場合も耐震基準適合証明書または既存住宅瑕疵保険の付保証明書を取得できる物件でないか、よく確認してください。ホームインスペクション(住宅診断)を行うアネストでは、これらの書類を取得する業務も行っているので、気になる人は聞いてみましょう。

引渡しと残代金の支払いは同時に行う

中古住宅の引渡しの流れと基礎知識」のなかでも、引渡しと決済(残代金の支払い)は同日に行うものだと述べました。これは、一般的な住宅購入においては当然のことなのですが、一部の取引では別日に行おうとすることがありますので、買主は注意しなければなりません。

例えば、売主と買主が互いに取り決めた引渡日(決済日)に売主が急きょ来られなくなり、鍵の引渡しは後日行うので、残代金だけは先に振り込んでほしいと仲介の不動産会社から頼まれたという買主から相談を受けたことがあります。

売主が来られないならば、引渡し日を再調整するなどの努力をすべきところなのですが、不動産会社の担当者が面倒だと思ったのかもしれません。もしくは売主と何か画策しているのかと疑ってしまうところです。普通ならば考えられないことですが、そのような意識の低い会社や担当者もおりますので、用心は必要です。

ちなみに、残代金を先に支払ってしまうリスクとしては、売主がきちんと引渡しを履行しないといった問題が考えられます。支払いは完了しているのに、いつまでも引渡しをせず延期されていては、買主の立場は危ういですね。

引渡し後の注意点

中古住宅の引渡し後の注意点

引渡し前に注意することは非常に多いですが、実は引渡し後もすぐに気を抜かずに注意しておきたい点があります。

  • 瑕疵担保責任期間内に建物・設備を要チェック
  • 瑕疵を発見したらすぐに売主へ連絡する

上に挙げた2点は大変重要ですから、引渡し後は必ずこれを厳守してください。

瑕疵担保責任期間内に建物・設備を要チェック

売主の瑕疵担保責任については、引渡し前の注意点のなかの「売主の瑕疵担保責任の有無を確認する」で述べた通りです。瑕疵担保責任の期間が引渡しから3ヵ月や1カ月と定められていることが多いですが、この期間を超えれば瑕疵の修補などを売主へ請求できなくなりますから、この期間内に瑕疵の有無を確認しなければなりません。

売買契約前や引渡し前に第三者のホームインスペクション(住宅診断)を利用していない場合、引渡し後速やかに利用して、瑕疵がないか調べた方がよいでしょう。雨漏りや構造木部の腐食、シロアリ、給排水管の故障については、この瑕疵担保責任で売主に対応を求められることが多いです。

この症状以外であっても、問題が確認されたならば早期に対処した方が良いことは多いため、瑕疵担保責任の有無に関わらず、ホームインスペクション(住宅診断)を利用しておくことをお勧めします。

ちなみに、売主が不動産会社である場合には、瑕疵担保責任の期間は引渡しから2年と設定されていることが多いですから、売買契約書で確認してください。

瑕疵を発見したらすぐに売主へ連絡する

引渡し後、実際に何らかの瑕疵を発見した場合についてです。発見したならば、当然に売主へ連絡しなければなりませんが、原則として書面で連絡するようにしましょう。仲介した不動産会社にすぐに連絡を取り、売主へ連絡するのです。

前述のように瑕疵担保責任期間は限られていますから、スムーズに進めなければなりません。

また、ここで注意したいことは、補修工事を買主が勝手にやってしまわないことです。一般的な売買契約書では、瑕疵を発見してから売主へ連絡し状況を確認してもらってから補修する流れと記載されています。売主が確認する前に補修してしまって、瑕疵の有無を後から確認できなかったり、売主が責任を負うべきことがどうか確認しづらかったりすることもあるからです。

売買契約書に売主に確認する機会を与えることが記載されていなかったとしても、確認する機会は作るようにした方がよいでしょう。

ここまで見てきて、中古住宅の売買においては引渡し前も引渡し後も大事な注意点がいくつもあることがわかりましたね。大きな買い物であり、長く居住するのですから、きちんとした対応を心掛けましょう。

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