大手ハウスメーカーが建築した中古住宅を購入するメリット・デメリット

中古住宅を購入しようと考えて多くの物件を見ていくなかで、新築の際に誰もが知っているような大手ハウスメーカーが建築した物件に出会うこともあるでしょう。新築した会社の知名度が高いのであれば、購入を検討する人も多いですが、建築した会社の知名度だけで判断するわけにもいきません。

大手ハウスメーカーが建築した住宅を中古物件として購入する際のメリットとデメリットをまとめていますので、これを参考に購入の是非を検討してください。

 

大手ハウスメーカーが建築した中古住宅を購入するメリット

まずは、メリットの方から紹介します。大手メーカーの建築した中古住宅を購入する人にとってのメリットとしては、以下の項目が考えられます。

  • 転売(売却)するときに同条件の他物件よりも高く売りやすい
  • 基本性能が高い住宅が多い
  • 大手ハウスメーカーが建築した住宅は大きな瑕疵にあたる可能性が低い
  • ハウスメーカー保証の引き継ぎのある場合も多い

これらの項目をもう少し説明していきます。

 

転売(売却)するときに同条件の他物件よりも高く売りやすい

中古住宅を購入した場合でも、将来、売却することもあるでしょう。転勤や家族構成の変化など様々な理由で終の棲家のつもりであった家を手放す人がいます。そういったときに、自宅を高く売れることはよいことですね。

購入価格と比べて比較的、安定的な価格推移をすることが多く、購入時に投資した資金の多くを売却によって回収できることもあります。もちろん、物件個別の特性や築年数、市場環境などよることですので、一概には言えませんが、大手ハウスメーカー以外の物件よりは価格が安定していることが多いです。

 

基本性能が高い住宅が多い

大手ハウスメーカーでは、地場の工務店が建築する住宅に比べて、耐震性能や断熱性能などの基本性能が高いことが多いです。もちろん、性能の高い住宅を供給しようとする地場の工務店もあるのですが、確率という点では大手ハウスメーカーの方に分があります。

基本性能の良し悪しは見た目だけではわかりづらく、判断が難しいため、大手ハウスメーカーが建築したという事実が1つの参考になり、プラス材料だとみることができます。

 

大手ハウスメーカーが建築した住宅は大きな瑕疵にあたる可能性が低い

多くの住宅についてホームインスペクション(住宅診断)をしていると、大手ハウスメーカーが建築した物件の方が施工ミスなどの瑕疵がある可能性は低いです。物件によっていろいろなケースがあるため、大手なら安心だというわけではありません。大手の物件でもひどい瑕疵が見つかることもありますし、それまでに居住してきた人の使い方やメンテナンス次第では、劣化がひどいこともあります。

小さな会社が分譲した住宅に比べると、大きな瑕疵にあたる可能性が低いといえますが、過信はしないようにしましょう。

 

ハウスメーカー保証の引き継ぎのある場合も多い

中古住宅であっても、その住宅を新築した業者の保証を新たな所有者(買主)が引き継げることもありますが、大手ハウスメーカーはこれに該当する事も多いです。保証の年数や内容はきちんと確認すべきことですが、保証があるのは嬉しい材料ですね。

但し、保証を引き継ぐためには手続きが必要なことが多いため、忘れずに対処しておきましょう。

 

大手ハウスメーカーが建築した中古住宅を購入するデメリット

大手ハウスメーカーの住宅でもメリットだけではありません。以下のあげるデメリットもあるので把握しておきましょう。

  • 購入するときに同条件の他物件よりも高い
  • 構造・工法の安全性を確認しづらい

これらのデメリットについては以下で詳細を説明します。

 

購入するときに同条件の他物件よりも高い

メリットとして、高く売りやすいことを説明しましたが、これは買う側にとってはマイナスにもなります。できるだけ高く買いたいと考える人はいませんから、デメリットですね。高いということは、それだけの資金を準備する必要があり、住宅ローンの審査も厳しくなることもあります。

大手ハウスメーカーの家なので買いたいと考えても予算の都合上、購入できないということもあります。価格が大きな壁となることもあるでしょう。

 

構造・工法の安全性を確認しづらい

大手ハウスメーカーが供給する住宅の多くは、各社が独自で国の認定を受けた工法であることが多いです。認定を受けているので安心だと考えることもできますが、第三者がその工法の安全性を確認しづらいとも言えます。

劣化や不具合、施工ミスなどは現場で診断すればわかることですが、プラン上の問題点はわかりづらいでしょう。

 

デメリットは少ないが価格の問題は大きい

大手ハウスメーカーの建築した住宅を中古物件として購入するときのメリットとデメリットを見てきましたが、メリットの多さに比べてデメリットが少ないことは特徴的だと言えます。しかし、最大のデメリットともいえる価格が高いという点が重荷になりますから、メリットと比較して慎重に検討する必要がありますね。

 

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