リフォームを1度にまとめて実施するメリット

住宅をリフォームしようとしたとき、リフォームする箇所が当初の予定よりどんどん増えていき、ちょっとしたリフォームのつもりが、大規模なリフォームになってしまったという経験を持つ人は多いものです。例えば、壁のクロスが古くて傷んでいるので貼り換えようと思い、リフォーム業者に見積りに来てもらったら、床をフローリングに貼りかえるよう提案されて応じてしまい、さらにトイレやキッチンも交換することに、、

どこまでリフォームするか考えるとき、壁クロスなどの一部のみを実施して、他はまた数年後にするのか、将来するであろうリフォームを一緒にまとめてやってしまうのか、迷う人は多いです。ここでは、まとめて多くのリフォームすることのメリットをご紹介します。

< リフォームを1度にまとめて実施するメリット >

  1. リフォーム工事費の総額が安くなる
  2. 手間が一度で済む
  3. 責任の所在が明確になる(同じリフォーム業者に発注した場合)

それでは、1つずつ見ていきましょう。

1.リフォーム工事費の総額が安くなる

様々なリフォーム工事について実施時期を分けた場合、同じ項目の費用を複数回、支払うことがあります。わかりやすい例として、屋根の吹き替え工事と外壁の塗装工事で説明しましょう。

ある年に屋根材の吹き替え工事をして、翌年に外壁の塗装工事をしたとします。屋根も外壁も高い位置で職人が作業するために、建物の周囲に足場を設置して工事をすることが一般的です。リフォーム費用のなかには、足場の設置費・撤去費・使用料・運搬費が含まれています。

建物や工事の条件にもよりますが、屋根材の吹き替えも外壁の塗装も同じように足場を使用するのであれば、一緒に工事することで足場関係の費用を大きく圧縮することができます。1~2年程度の時期のずれのために同じ費用を支払うのはもったいないですね。

リフォームの見積書を見ても足場の費用が載っていないので、関係ないと考える人もいるかもしれませんが、「足場」と明記していないだけでどこかに含まれていると考えるべきです。リフォームの見積書の記載方法は、本当にわかりづらいものが多く、リフォーム業者によっては項目名などを省略していることもあります。

リフォーム業者に、屋根材の吹き替えと外壁の塗装を同時に依頼する場合と別の時期に依頼する場合で費用がどれぐらいかわるのか確認するとよいでしょう。

また、キッチンやトイレ、浴室などの水周り設備についても、その他の内装についても一緒にリフォームを発注した方が安くなることが多いため、リフォーム業者に確認しながら進めるとよいでしょう。

2.手間が一度で済む

リフォーム工事はリフォーム業者がするとはいえ、業者に自宅を点検してもらったり、見積書をチェックしたり、工事内容や契約書をチェックしたりと発注する側(施主)の労力や手間も大変です。それを何度も何度も繰り返すより、一度にまとめて集中した方が効率もよくて結果的には楽だといえます。

3.責任の所在が明確になる(同じリフォーム業者に発注した場合)

様々なリフォームを別の会社に依頼する人もいますが、これには大きなリスクを伴います。そのリスクとは、複数のリフォーム業者に工事を分けて依頼すると責任の所在が曖昧になるということです。住宅に対して何らかのリフォーム工事を実施すれば、施工ミスなどによる問題が生じるリスクを伴います。

責任の所在

たとえば、2階建て住宅の2階の天井から漏水してきたため、屋根の吹き替えをした工事が原因で雨漏りしたのだろうと考えて、屋根工事をした工務店にクレームを入れたところ、その業者は屋根裏の断熱工事がずさんだから結露していると主張するといったことがあります。

断熱工事をした業者(屋根工事の業者とは異なる業者)に指摘したところ、屋根工事が原因だと言われるわけです。どちらの業者も詳細には調べてくれず、その間に途方に暮れてしまうかもしれません。

他にも、外壁の塗装が原因で室内へ雨漏りしたと思ったら、バルコニーの防水工事が悪くて階下の壁面に漏水してきたという事例などもあります。

リフォームしてからしばらくして、雨漏りしたとか床下で漏水していたといったトラブルが発生することは、非常に多いものです(漏水に限ったことでもありませんが)。

リフォームの実施時期をわけ、かつ工事業者を都度変えてしまうと、こういったトラブルに巻き込まれることはよくあるため、同じリフォーム業者に発注することが望ましいと言えます。別の業者の責任だという言い訳を使えなくなりますから。

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