建売住宅の購入で後悔した5つの理由と失敗しないための注意点

これから建売住宅を購入しようとしている人ならば、建売のメリットやデメリットを知ることは大事なことですが、実際にどのようなことで失敗したり後悔したりしている人がいるのか、その事例を知ることも大事です。

建売住宅の購入でよく聞く後悔した話をここで紹介し、さらに、同じ失敗をしないための注意点もお伝えしていきます。建売住宅を購入した先輩の体験を活用させてもらいましょう。

 

仕様・デザインが似ていて個性が無いと後悔

建売住宅の多くは外観や内観において、デザインが似たものが多いですね。これに関する失敗談と注意点です。

 

こだわりと価格で迷った末に価格重視で建売住宅の購入を決断

住宅を購入するときは、希望する間取りや広さ(面積)、立地などの条件で譲れないところもあれば、妥協してもよいところもあるでしょう。希望をあげていき、そのなかで優先順位を考えたり、妥協できる点を探したりしつつ、物件探しをするものです。

様々な条件のなかで、住まいへのデザイン面のこだわりと価格は大きく対立する点となることはよくあります。こだわりをもった外観や内装、もしくは設備などを実現するには建売住宅では難しく、それなりに投資して注文住宅を建てる必要があります。

Aさんは、建売ならば、もっと安く購入できるということで、デザインや設備に関するこだわりを妥協することもやむを得ないと考えて建売を購入しました。

しかし、しばらくしてAさんが友人の家を訪問したときに、こだわりのあるデザインの住宅に住んで楽しそうに話す様子を見て、多少は無理してでもこだわりを実現すべきだったのではないかと後悔していました。

 

建売を購入するときの仕様・デザインに関する注意点

建売住宅を買うこということは、決められたプラン・デザイン・仕様のものを購入するということです。売主はコストを抑えたいですから、普及品を使用する材料が非常に多くなりますし、同じ会社であれば同じような仕様の住宅を供給することになります。

また、デザイン性の優れた住宅は、場合によっては奇抜に見られることもあり、人の好みが分かれやすいというデメリットもあるため、建売を分譲する会社としてはデザイン性をあまり求めずに、一般的に受け入れられやすいものを供給しようと考えます。

建売のこういった事情を知っておき、住まいに対する何らかのこだわりが強いならば、注文建築を検討するようにしましょう。

 

プランを変更できないと後悔

建売住宅のデメリットとしてもあがるプラン変更の問題です。建売は決められた間取、仕様の住宅ですから、原則としてはプラン変更できません。

 

営業マンの「多少のプラン変更はできますよ」を信じて失敗

前述したように建売住宅は、間取りや仕様が決められているものですから、自由に間取りなどを変更することができません。しかし、建築前の物件であれば、営業マンから「多少のプラン変更はできますよ」と説明を受けることがあります。

Bさんは、希望する立地でもうすぐ建築を始めようとする物件を見つけたものの、予定している間取りが希望に合わないことが問題で購入を決断していませんでした。しかし、担当の営業マンが「多少はプランを変更することもできますよ」と言ったのをきっかけに購入を決断して契約を結んだのです。

しかし、契約後の打合せで「リビングを広くしたいから、和室を無くして間仕切り壁も無くしてほしい」と依頼したところ、営業マンが会社に確認してから「それの変更はできない」と回答してきました。話が違うと交渉して、何とか和室をフローリングにしてリビングとつなげることはできることになったものの、間仕切壁の一部を構造上の問題で撤去できないと言うのです。

これでは、リビングの広さが感じられず、希望と異なるものでした。第三者に相談したところ、確かに該当の壁が耐力壁であり撤去するならば、他の対応が必要であることがわかり、他の対応も難しいことから妥協したのです。

 

建売のプラン変更の限界と注意点

最近はプラン変更に応じる建売住宅が増えました。むしろ当たり前のようになっている会社もあります。しかし、販売時点では、どのようなプランで建築するか建築確認申請手続きも済んでいることから、なんでも変更できるというわけではありません。

注意点としては、変更できると説明を受けたとき、具体的に変更できる事例をいくつも挙げてもらうことです。たとえば、クロスの種類やフローリングの種類なら変更できるとか、キッチンも変更できるとかといったことです。

キッチンを変更できる場合でもサイズまで変更できるかどうかは大事なチェックポイントです。サイズが変われば、壁の位置などに影響が出るため、変更不可の場合が多いでしょう。

そして、壁の位置等の変更にも応じるのであれば、建築確認申請をやり直すことも考えられます。そういった費用負担がどうなるのかもよく確認しておきましょう。

 

急かされて契約して後悔

住宅購入の後悔話で本当に多いのが、不動産会社に急かされて購入したというケースです。これは建売住宅の購入に限ったことではないですが、建売でもよく聞く話でもあります。

 

急かされて契約して後悔

 

「他人が先に購入してしまいますよ」の一言

住宅購入の決断を迷っているときに不動産会社がよく言うセリフが「他人が先に購入してしまいますよ」です。このセリフを聞いたとき、多くの人は営業で言っているだけの可能性もあると感じるでしょう。しかし、本当に誰かが先に購入する可能性があるのも事実ですね。

Cさんも「他人が先に購入してしまいますよ」と言われた一人です。まだ、物件探しを始めて間もない頃で、この物件が2物件目です。まだ、その物件で購入を決めてしまってよいのか判断できるうつもりもなかったのですが、それを気に入ったのも事実です。

「他の物件を見ている間に売れてしまったら」「このチャンスを逃したら二度とチャンスがないかもしれない」などと考えてしまい、売買契約書に印鑑を押しました。それから、1物件目を案内してくれた不動産会社から別の物件の紹介があり、その方が希望に合致していたのです。

 

建売購入を急かされたときの注意点

購入の決断を急かされて、不動産会社のペースにのってしまって後悔したという人は非常に多いです。確かに、その物件を購入することが正解だったかもしれませんが、物件探しをはじめて1物件や2物件で判断してしまうのはリスクが高すぎます。

本当に急かされることが日常的によくあることだと認識しておき、急かされても聞き流すことです。誰かが先に購入したならば縁のなかったことと割り切る気持ちが大切です。

また、見学する物件数が1物件や2物件では見る目を養うこともできていません。比較対象がその時に居住している古い賃貸物件になってしまっている人がいますが、それでは新築物件を見て気に入るのは当たり前です。多くの物件を見学して新築同士で比較検討するようにしましょう。

 

見えない箇所の施工ミスが発覚して失敗

建売住宅の大きなデメリットと関係する失敗例の話です。

 

完成物件を購入したので建築中の施工不良に気づかなかった

完成済みの建売住宅を買うメリットの1つは、実物を見て購入判断できるため、思い違いが起こりづらいということです。未完成物件を購入した人は、「思っていたのと違う」という感想を持つ人も少なからずいます。逆に、完成物件故のデメリットが建築中の施工状況を全くチェックできないということです。

Dさんは、もともと住宅の欠陥工事への警戒心があり、きちんと検査された住宅を買いたいと考えていました。そのため、建築開始前の物件を契約して、第三者の住宅検査を利用するつもりでした。

しかし、いろいろな物件を見学するうちに気に入ったのは、完成済みの建売住宅だったのです。建築中の第三者検査を入れないと安心できないとの考えが強かったのですが、売主が「工務店も長年営業しているし、第三者検査機関も入っているから大丈夫」と言ったことを信じることにして、契約しました。

引渡しを受けて入居してしばらく経過したとき、何か異臭を感じるようになりました。売主や工務店に見てもらっても原因がわからなかったのですが、床下収納庫を開けたときの臭いが強いように感じたので、収納庫を取り外して床下を見たら、何と深さ2cm程度も水が溜まっていたのです。

床下の湿気が異常な状態になっており、カビが繁殖して、異臭を放っていたようでした。それからは、排水や乾燥、補修工事と対応にかかる手間や時間が大変で、売主や工務店の言うことは信用できなくなるし、建築中の第三者検査機関の検査とは何だったのかと思い、強く後悔したのです。

 

完成済みの建売の施工不良チェックの注意点

住宅の建築の過程で第三者検査を入れることは大切なことです。売主などから、第三者検査機関を入れているので大丈夫だと説明を受けるケースは非常に多いですが、そういった住宅の検査に入ると施工不良が見つかることもまた非常に多いです。

売主側がいう第三者検査機関の多くは、簡易的なものであり、施工品質を適切なレベルで保っているかどうか確認していないことの方が圧倒的に多いです。法規や瑕疵保険の基準にあったものかどうかを確認しているだけであり、施工不良(施工ミス)を無くすためとは言い難いものです。

住宅コンサルティング会社のアネストが、買主の依頼に基づいて建築中の住宅検査をした事例では、売主側のいう第三者機関の検査後でも多数の指摘が出ている現場はいくらでもあります。売主の営業トークに惑わされないように注意しましょう。

 

知人・友人の紹介だからと安心して失敗

友人に紹介してもらった会社から家を買ったので大丈夫だと思っていたら、トラブルに巻き込まれ、友人にクレームを言うわけにもいかないという話も多いです。友人が勤める会社だから安心だと思っていたら、施工ミスに悩まされたという人もいます。

 

知人・友人でも十分な知識や経験があるとは限らない

不動産や建築業界に努めている友人だから、そのアドバイスに従っておけば大丈夫だと考える人は多いです。その友人に紹介された会社だから任せておけばよいだろうと考える人も多いです。しかし、その友人や友人に紹介された人に悪意がなくても問題が発生することはいくらでもあるのです。

Eさんは、友人が勤めるハウスメーカーが分譲している建売住宅を購入しました。友人はその会社の営業をしており、「うちは第三者機関がきっちり検査して、現場も嫌がるほど細かなチェックを受けているから任せておいて」と自信たっぷりです。

しかし、入居してから基礎や外壁のひび割れなどに悩まされる日々を送っています。その友人が嘘をついて騙したわけではありません。現場のことを詳しく知らない営業担当の友人は、本当に第三者機関が細かな検査をしていると思い込んでいたのですが、実態は違いました。

ハウスメーカーが一般的に委託している第三者検査は細かなところまで検査することはありません。しかし、友人の誤解による説明でトラブルに遭遇してしまったのです。

また、Fさんは友人に紹介された不動産会社から建売住宅を購入することにしました。売買契約をしてから、引渡しまでにかかる諸費用の明細を見せてもらうと、いくつかの不審な費用項目と金額が入っていました。それに違和感を覚えながらも友人の紹介だから間違いないだろうと支払ったのです。

後日、その項目をインターネットで調べてみると、一般的には請求されることのない費用だということがわかりました。その不動産会社が不当に買主から得ている利益であることがわかったのです。

紹介された営業マンは不動産業界の経験が浅く、その勤務先のことしかしりません。業界では一般的な費用だと思い込んでいて悪気なくいつも通りに請求していたようです。

 

知人・友人でも何でも信用してはいけない建売住宅の購入

不動産や建築に関わる仕事は、本来ならば高い専門性が求められるものです。必要な専門知識の巾は広く、制度も頻繁に変わりますし、新しい制度や商品も数多く出てきます。全てに精通している人はいないでしょう。

不動産業界で営業している人は、その知識や経験のレベル差が非常に大きく、本当に無知だと感じる人は驚くほど多いです。その理由は単純で、家を何度も買う人は少ないため、多少の知識が有れば買主よりも詳しくなるからです。言い方を変えれば、知識面の努力を怠っていても、何とか言い訳しながらやっていける仕事なのです。

良い人に見える人はいくらでもいます。友人やその紹介なら、「良い人だから」「人間的に信用できるから」という理由で判断してしまうかもしれません。しかし、十分な知識や経験があるかどうかは別の問題です。悪気なく、友人をトラブルに巻き込んでしまうことはよくあることですから、注意が必要です。

 

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