シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

新築住宅(建売住宅)の売買契約の前に確認すべき注意点

新築住宅(建売住宅)の売買契約の前に確認すべき注意点

新築の建売住宅を購入する人が、これからいよいよ売買契約だというときに注意すべき点をご紹介します。ここで対象としているのは、新築住宅のなかでも建売住宅(分譲住宅)を買う人です。注文建築で家を建てるときは取引形態も流れも注意点も異なりますので、建売を買う人に読んでおいてもらいたいものです。

新築住宅(建売住宅)の売買契約前に注意すべきことを大きく2つにわけると、取引条件に関わることと対象物件そのものに関わることがあります。以降でそれぞれについて説明していきます。

取引条件(売買条件)の確認

まずは取引条件について注意して確認すべきポイントをあげていきましょう。

売主からの保証内容と保証期間

新築の建売住宅を購入すれば、民法と宅地建物取引業法の関係するところによって、買主が引渡しを受けてから最低でも2年以上は売主が瑕疵担保責任を負わねばなりません。「最低でも2年」と書きましたが、ほぼ全ての売買において2年間と定めているので、引渡しから2年間だと理解しておいて実態と相違はないでしょう。

一方で、住宅の品質確保の促進等に関する法律によって、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分については10年間の保証が義務化されています。構造耐力上主要な部分とは、基礎や柱、屋根などの主要な構造部であり、雨水の浸入を防止する部分とは屋根や外壁において雨漏りを防いでいる部分です。

簡単に言えば、10年間の保証は主要構造部と雨漏りに関することのみが対象であり、その他の部分については瑕疵担保責任の対象となりうるものです。

ここまでは法律によって定められている最低限度の基準ですが、売主によってはこの最低基準を超える期間まで保証していることがあります。最低ラインを超える期間の保証があることは当然ながら買主のメリットと言えることですから、保証内容と保証期間を確認して物件の比較検討に役立てることができます。

但し、保証期間を長く設定して契約する売主の多くは大企業です。中小規模の不動産会社に保証期間延長などを望んでも難しい場合が多いです。

アフターサービス規準

保証と似たものにアフターサービス基準(または基準)というものがあります。この規準を明確にすることが義務化されているわけではありませんが、アフターサービス規準書などの書類を作成して交付している会社も多いです。

外装、内装や設備などを部位ごとに、補修対応する期間や補修方法を明確にするものであり、なかなか心強いものです。このアフターサービス規準書は売買契約した後や引渡し時に初めて目にする人が多いですが、買った後の対応の違いを契約前に把握して購入判断に役立てるため、契約する前に写しを提示してもらうようにしましょう。

こういった規準を設けていない会社であっても、引渡し後に気づいた不具合について対応してもらえることもよくあることですが、規準が不明瞭であるために対応してもらえないことも少なくありません。

また、せっかくアフターサービス規準がある物件を購入したにも関わらず、それに気づかずに希望した補修を断られたまま放置していたケースもありますから、この規準の存在を忘れずに生じた問題・症状に応じて適切な対応を求めるようにしましょう。

売買契約書では備考欄・特記事項欄に要注意

備考と特記事項をチェック

売買契約を締結する前には、必ず売買契約書を契約日より前に見せてもらうようにすべきです。契約日にはじめて契約書を見てもわからないことが多い上に、いまさらに後には引けないという空気があって契約日を延期することも難しいでしょう。

事前に契約書を入手すれば、その全てを読んで理解に努めて、不明点は不動産会社に質問しなければなりません。

ここで全ての契約条項について解説しませんが、よく問題が起こる項目があるのでお伝えしておきます。それは、備考欄や特記事項欄です。

契約はどの不動産会社であってもフォーマットを持っていて、個々の取引に合致する内容を追記していく流れで作成しています。契約条項自体にはそれほど変更を加えることはなく、その点において買主に不利な条件が書かれていることは少ないです(無いわけでもないです)。

一方で備考欄や特記事項欄は元々が空欄であり、個別の取引の事情に合わせて契約条件に入れたいことは、これらの欄に追記されていることが非常に多いです。よって、買主は事前に受領した売買契約書の全てを読みながらも、備考欄と特記事項欄については特に注意して熟読すべきなのです。

それまでに知らされていなかった物件のデメリットが書かれていることがあり、契約してからその問題を知ったとしても契約時に説明を受けて了解して購入していたことになりますから、要注意です。

未完成物件なら完成日と引渡し日にも注意

新築の建売住宅といっても、契約時点では建物が未完成である物件も多いです。未完成物件の売買契約時に注意すべきことは、完成日と引渡し日を確認するということです。

引渡しに関する以下のようなトラブルがありました。

買主が契約書を確認したところ、完成日や引渡し日を売買契約書に明記しており、買主の入居希望時期と合致しているので問題ないと判断して契約書を締結しました。その後、工事が遅延してしまい、完成予定日の直前になってから完成日と引渡し日が1カ月も遅れると売主から聞かされました。

これは契約違反にあたるとして、買主は売主にクレームをつけます。しかし、売買契約書には、「工事遅延により完成日及び引渡し日が遅れた場合、売主は何ら責任・負担を負わず買主はこれを承諾する」と記述されていました。これを理由に売主は何にも責任を負わないと回答してきたのです。

買主としても契約していたとはいえ、簡単には引き下がることができないのですが、弁護士を入れて争うにも費用対効果の問題もあり、泣き寝入りしていたのです。

完成日や引渡し日の欄だけではなく、契約書の全てに目を通して不利な記述がないか確認しなければなりませんね。

諸費用は明細を要チェック

売買契約の締結前に確認しておくべきことに購入にかかる諸費用の金額があります。不動産会社から口頭で「だいたい200~250万円ぐらいですよ」と聞いていたのに、最終的には350万円ほどかかったというケースもあります。

口頭だけで確認することは間違いが起こりやすいですから、諸費用の金額についてはきちんと書面で提示してもらうようにしましょう。諸費用の項目によっては売買契約の時点では確定できないもの(登記費用や税金)もあるため、そういったものは概算金額で表示してもらってもよいです。

諸費用の金額を契約時にも提示しないような不動産会社とは契約しないように注意してください。

売主からもらえる図面を要チェック

売主からもらう図面

建売住宅を購入したとき、必ず売主から様々な設計図を引き継ぐことになります。しかし、どのような種類の設計図を引き継ぐことができるのか、売主によって大きな差異があるので要注意です。

設計図は、将来のリフォームやメンテナンスのとき、さらには売却するときなどに必要となるもので、大事な財産(不動産)に関する重要な資料です。引き継ぎ可能な資料は全て受領して丁寧に保管しておきましょう。

最低限度、引き継ぐべきものは以下のものです。

  • 建築確認申請書・確認済証
  • 中間検査合格証(存在しないこともある)
  • 完了検査合格証
  • 地盤調査資料
  • 地盤改良工事報告書(存在しないこともある)
  • 敷地配置図
  • 各階平面図(平面詳細図)
  • 立面図
  • 断面図(立面図と兼ねていることもある)
  • 仕様・仕上表
  • 構造計算書(3階建て以上の場合。2階建て以下なら存在しないことも多い)
  • 壁量計算書(2階建て以下の場合で構造計算書が無い場合)

上にあげた設計図等はどの不動産会社の建売住宅であっても存在するはずですから、必ず引き継ぐようにしましょう。そして、以下についてもできれば受領しておきたいものです。

  • 矩計図(かなばかりず)
  • 構造伏図(基礎・床・小屋etc)
  • 軸組図
  • 電気設備図
  • 給排水設備図
  • 金物配置図

これらについては、売主側で作成していないことも多く、建売住宅においては入手できないことも少なくありません。

買主としては、売買契約の前にどういった設計図等の資料があるのか売主に確認しておき、上の書類リストと照合して会社の信頼性を判断する材料とするとよいでしょう。

対象物件に関すること

次に購入しようとしている対象物件そのものについて注意して確認すべきことをまとめておきます。建売住宅は土地と建物の両方が取引の対象ですが、各々についてご紹介します。

建物は住宅診断(ホームインスペクション)でチェック

住宅診断(ホームインスペクション)

新築住宅を購入する人のうち、多くの割合の人は土地よりも建物の施工品質(欠陥工事・施工ミスがないかどうかを含む)について心配しているようです。

建物に大きな施工ミスなどがあれば、引渡し後に受ける被害(対応する労力や費用、精神面など)も大きなものとなることがあるだけに、心配するのも無理はありません。

しかし、建物は専門性が高く、業界未経験の人が自らチェックするのは困難です。不動産会社の営業マンが自宅を購入するときにも利用していることもありますから、無理に自分たちだけでチェックしようと考えない方が無難だと言え、第三者の住宅診断(ホームインスペクション)を活用するとよいです。

土地条件は重要事項説明書でチェック

建物は施工状態の良し悪しをチェックする必要が高いため、基本的には現地で建物を調べることがベースとなりますが、土地については現地以外で確認できることが多いです。

土地の条件面でデメリットがないかどうかは、不動産会社から重要事項説明書の写しを提示してもらい、それに記述された項目についてインターネットで調べて見ると多くのことを理解することができます。インターネットは便利ですね。

重要事項説明書は売買契約の前に必ず書面を提示して説明しなければならないとされていますが、多くの取引では売買契約の当日になって買主に見せています。それでは、買主が調べる時間もなく、その場での不動産会社の説明をただ信じるしかない状況になってしまいます。

不動産会社は各項目の意味については説明しますが、その結果のメリット・デメリットや将来のリスクまでは説明してくれないことも多いです。よって、契約日よりも前に重要事項説明書の写しを入手して調べておく方がよいです。

これから新築の建売住宅を購入する人は、ここであげたことについてきちんと確認しながら取引を進め、購入後に後悔することのないようにしてください。

○専門家に依頼するなら

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする