シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

夫婦共有名義で住宅を購入するメリット・デメリットと注意点(2)

夫婦共有名義で住宅を購入するメリット・デメリットと注意点(2)

前回の「夫婦共有名義で住宅を購入するメリット・デメリットと注意点(1)」に引き続いて、夫婦共有名義の話です。前回は、メリットまで述べましたので、今回はデメリットと注意点をお伝えします。

夫婦共有名義とするデメリット

メリットを確認したところで、次はデメリットも確認しておきましょう。物事の判断をするとき、デメリットを把握しておくことこそ大事であるのは言うまでもありません。

  • 夫婦いずれかの収入が無くなったときに返済困難になることがある
  • 離婚で売却処分するときにもめる
  • 子供がいないと相続でもめることもある(レアなケース)

以上3点のデメリットをあげましたが、それぞれについて解説しておきます。

夫婦いずれかの収入が無くなったときに返済困難になることがある

夫婦2人の収入から毎月のローン返済をする前提で計画している場合、いずれか一方の収入が途絶えたり大幅に減ったりしたときに返済困難になることがあります。

妻が出産を機に退職することもありえることですし、親の介護のために仕事量をセーブして収入が減ることもあります。返済計画を考えるときには、そういった人生の変化のことも考慮しておく必要があります。

離婚で売却処分

離婚で売却処分するときにもめる

最も悩ましいデメリットは、将来、その住宅を売却する必要性が生じたときです。夫婦で共有している不動産を売却するには、夫婦がともに売却することや売却条件(価格・時期など)について合意できないといけません。

普通ならば、そういったことは大きく揉めることなく合意できるはずなのですが、夫婦の離婚に伴う売却であるときにはそう簡単に合意できないこともあるのです。

これは離婚時の財産分与とも関係することですから、その他の財産のことも考えながら話し合っていく必要があります。何らかの事情によりそこに住まなくなってからも、話がついて売却が完了するまでは住宅ローンの返済が生じます。

また、住宅ローンの残債務が売却額を上回っている場合には、売却するために資金を出さなければなりません。これをどちらが負担するのかも話し合う必要があります。

住宅を購入するときには、離婚のことなど考えてもいないでしょうが、揉めていることが多いことですから、頭に入れておくとよいでしょう。

子供がいないと相続でもめることもある(レアなケース)

夫婦共有名義で購入した住宅も他の不動産と同様に、所有者が亡くなれば誰かが相続することになります。その夫婦が亡くなったときは、一般的には子供が相続することになります。しかし、子供がいない家庭である場合は親や兄弟姉妹が相続人となります。

子供がいる場合は、子供間のみの話し合いで決められますし、夫婦のいずれの所有権もその子供に引き継がれるので、トラブルになる率はそう高くありません(別の理由でもめることはありますが)。

これに対して、子供がいない場合に問題となるレアなケースが考えられます。夫婦が事故などで同時に亡くなった場合です。

別々に亡くなった場合は、残された方が相続しますから、1人で所有することになります。たとえば、夫が先に亡くなって子供がいなければ、妻が夫の所有権を相続することで妻が全ての持ち分を持つことになります。その妻が亡くなったときには、妻の親や兄弟姉妹が全て相続することになります。

しかし、事故などで同時に亡くなった場合で子供がいなければ、夫の親兄弟と妻の親兄弟がそれぞれの持ち分を相続することができるため、所有者が複雑になってしまうのです。両家の間で意見が割れても、仲裁できる立場の本人たちがいないわけですから大変です。

とはいえば、かなりレアなケースですから、「そんなこともありうるのか~」というぐらいの認識でよいのではないでしょうか。そこまで考えていたら家を買えませんね。

夫婦共有名義にするときの注意点

最後に夫婦共有名義とするときに注意すべき点を紹介しておきます。

  • 購入資金を出していない人を共有名義にしてはいけない
  • 所有権の持ち分を夫と妻が実際に出した資金に応じた割合とする
  • 親からの資金援助分の名義はどうするべきか
  • 2人とも住宅ローン控除を受けるには夫婦ともに債務者となる
  • 実際に夫婦がともにローン返済をしなければならない
  • 返済計画は将来の収入変化も考えるべき

それでは、これらの注意点も1つずつ解説しておきます。

購入資金を出していない人を共有名義にしてはいけない

夫婦共有にしたいからといっても、闇雲にできるわけではありません。その住宅を購入するための資金を実際に出していない人と共有にしてしまうと、贈与ととられて課税されるからです。

例えば、頭金などの自己資金を夫が全て負担し、且つ銀行からの融資も夫名義で借りているのに、妻と共有にしてしまうと夫から妻への贈与となってしまうのです。

所有権の持ち分を夫と妻が実際に出した資金に応じた割合とする

所有権の持ち分をどうするか相談を受けることがありますが、それは実際に出した資金の割合に応じて決めなければなりません。

例えば、4,000万円の物件に対して、夫が頭金200万円、夫名義の借入額3,000万円、妻が頭金800万円(妻の借入額は無し)だったとします。夫が用意した資金は3,200万円で妻が用意したものは800万円ですから、持ち分は夫が5分の4で、妻が5分の1です。

仮に上のケースにおいて、夫が5分の3で、妻が5分の2としてしまうと、5分の1を夫から妻へ贈与したとみなされる可能性が高いです。借入金も含めて誰がどれだけの資金を出したかを計算して、それと同じ割合で設定しなければならないのです。

親からの資金援助分の名義はどうするべきか

住宅購入時に親から購入資金の援助を受けることはよくあることです。その場合、援助された資金については誰の持ち分として計算すればよいのでしょうか。

それは援助を受けた人の資金として持ち分を計算すればよいのです。例えば、夫が夫の両親から資金援助を受けたのであれば、夫の資金として計算するのです。

2人とも住宅ローン控除を受けるには夫婦ともに債務者となる

夫婦共有名義のメリットとして、2人とも住宅ローン控除を受けられることをあげました。しかし、2人ともが控除を受けるためには、2人とも所有者になり、かつ2人とも住宅ローンの債務者とならなければなりません。住宅ローンの借り入れがない人は控除されないからです。

実際に夫婦がともにローン返済をしなければならない

夫と妻の2人が債務者となって住宅ローンを借りた場合、返済も2人でしなければなりません。例えば、夫が全ての返済を負担してしまった場合には、夫から妻への贈与だとみなされる可能性があるのです。

収入変化も考える

返済計画は将来の収入変化も考えるべき

デメリットの1つとして、「夫婦いずれかの収入が無くなったときに返済困難になることがある」と書きました。そのなかでも既に述べていますが、介護、出産、子育て、会社の倒産・リストラなどで収入が変化してしまうこともあるため、共有名義で本当によいのか慎重に考えておく必要があります。

例えば、妻が仕事をやめて収入がなくなっても妻の分のローンは妻が返済しなければ、前述のように夫からの贈与だとみなされる可能性がありますから、注意が必要です。妻の預貯金から返済するのであれば問題ありませんが、その資金が底をついた時には問題になります。また、妻名義の預貯金が減りすぎるのもよくないと思いませんか?

単純に共有をやめておくということだけではなく、収入が大きく減少する可能性のある方の持ち分を小さくしておくことも1つの対処方法です。

いかがでしょうか。夫婦共有名義で住宅を購入するときのメリット・デメリットと注意点をまとめてみました。単独名義にするかどうか、また共有とする場合でも持ち分をどうするか検討するときの参考にしてください。

○専門家に依頼するなら

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする