物件種別で見る住宅購入の流れ

マイホームを購入するうえで、消費者が知っておくべき基礎知識の1つが、住宅購入の流れです。新築物件か中古物件か、また一戸建てかマンションか、物件種別によって購入の流れは微妙に異なるため、自分が希望する物件種別に応じた購入の流れを把握しておく必要があります。

深く考えずに不動産会社を訪れたり、モデルルームやオープンハウスを訪れたりした場合、知らないうちに不動産会社のペースで進められていくことでしょう。基本となる購入の流れをここで把握することによって、不動産会社ペースの住宅購入となって失敗することのないようにしましょう。

新築建売住宅の購入の流れ

まず、最初に説明する購入の流れは新築の建売住宅です。新築一戸建てといえば、都市部では建売住宅が非常に多いですね。建て売りには、完成済みの物件もあれば、未完成物件もありますので、それぞれのケースに分けて購入の流れを見てみましょう。

建売住宅(完成物件編)

以下が完成済みの建売住宅を購入するときの一般的な流れです。

  1. 物件の内見(見学)
  2. 購入の申し込み(買い付け申し込み)
  3. 住宅ローンの仮審査(事前審査)
  4. 第三者の住宅診断(ホームインスペクション)
  5. 重要事項説明
  6. 手付金の支払いと売買契約の締結
  7. 住宅ローンの本申し込み
  8. 住宅ローンの承認
  9. 住宅ローンの契約(金銭消費貸借契約)
  10. 引渡し前の確認(内覧会)(境界確認等を含む)
  11. 補修工事
  12. 補修後の再確認
  13. 融資実行・残代金の決済および引渡し・登記申請
  14. 入居

購入の申し込みから引渡しまでにかかる期間は、スムーズに進めば1カ月程度です。購入の決断から入居までが早いということが特徴的ですね。

建売住宅(未完成物件編)

以下が未完成の建売住宅の購入の流れです。

  1. 物件の内見(見学)
  2. 購入の申し込み(買い付け申し込み)
  3. 住宅ローンの仮審査(事前審査)
  4. 重要事項説明
  5. 手付金の支払いと売買契約の締結
  6. 建築中の状況確認・第三者の住宅検査
  7. 住宅ローンの本申し込み
  8. 住宅ローンの承認
  9. 住宅ローンの契約(金銭消費貸借契約)
  10. 引渡し前の確認(内覧会)(境界確認等を含む)
  11. 補修工事
  12. 補修後の再確認
  13. 融資実行・残代金の決済および引渡し・登記申請
  14. 入居

契約する時点で未完成の物件だという意味ですが、契約後に工事が進んでいくため、完成して引渡しまでは時間がかかります。契約時点の進捗にもよりますが、3カ月を超えることも少なくないでしょう。

完成物件と違い、建築中に状況確認できることが特徴的です。

中古住宅の購入の流れ

一戸建ておよびマンションの両方を含む中古住宅を購入するときの流れです。当然ながら建物が完成している状況での売買です。

  1. 物件の内見(見学)
  2. 購入の申し込み(買い付け申し込み)
  3. 住宅ローンの仮審査(事前審査)
  4. 第三者の住宅診断(ホームインスペクション)
  5. 重要事項説明
  6. 手付金の支払いと売買契約の締結
  7. 住宅ローンの本申し込み
  8. 住宅ローンの承認
  9. 住宅ローンの契約(金銭消費貸借契約)
  10. 引渡し前の現地確認(境界確認等)
  11. 融資実行・残代金の決済および引渡し・登記申請
  12. 入居

売買契約から引渡しまでにかかる所要期間は、その取引によって大きく異なります。対象物件に誰も居住しておらず、空家である場合は1カ月程度でも引渡しまで進むこともありますが、売主もしくは賃借人などが居住している場合には、退去する期間も必要なために数カ月を要することもあります。

居住中の売主が、自宅売却の契約後に新居を探すこともあり、その場合は6カ月程度かそれ以上の期間を要するケースもあります。

新築分譲マンションの購入の流れ

新築分譲マンションの購入の流れですが、多くの場合は青田売りですから、未完成の時に売買契約を締結しています。

  1. 販売センターの見学
  2. 購入の申し込み(買い付け申し込み)
  3. 住宅ローンの仮審査(事前審査)
  4. 重要事項説明
  5. 手付金の支払いと売買契約の締結
  6. 住宅ローンの本申し込み
  7. 住宅ローンの承認
  8. 住宅ローンの契約(金銭消費貸借契約)
  9. 引渡し前の確認(内覧会)
  10. 融資実行・残代金の決済および引渡し・登記申請
  11. 入居

売買契約を締結してから引渡しまでに要する期間は、新築分譲マンションが最も長くなりがちです。契約後、1年以上ということもよくあることです。もちろん、完成間近の物件や完成後の物件(売れ残り物件)を購入するときは、引渡しも早いです。

注文建築(家づくり)の流れ

注文建築(家づくり)は、建築会社などとプランの打合せなどをして、施主が希望する間取り・仕様で家を建てるもので、売買契約ではなく、建築請負契約を締結することになります。

  1. 住宅展示場等を活用して建築会社・設計者探し
  2. 住宅プランの検討
  3. 建築費の見積書の比較検討と建築会社等の選定
  4. 住宅プランの練り直し
  5. 見積り金額の確認
  6. 住宅ローンの仮審査(事前審査)
  7. 手付金の支払い・建築工事請負契約の締結
  8. 建築中の状況確認・第三者の住宅検査
  9. 住宅ローンの本申し込み
  10. 住宅ローンの承認
  11. 住宅ローンの契約(金銭消費貸借契約)
  12. 引渡し前の確認(内覧会)(境界確認等を含む)
  13. 補修工事
  14. 補修後の再確認
  15. 融資実行・残代金の決済および引渡し・登記申請
  16. 入居

住宅のプランの打合せやショールーム等の見学など、多くの労力と時間を要するものですが、その過程を楽しむことができればいいですね。この作業だけでも長い期間を要することがありますが、土地探しの段階から考慮すれば、何年もかけてマイホームを建てるという人も少なくありません。

住宅購入の流れのまとめ

全ての取引において、前述と全く同じように進むとは限りません。これが基本的な流れではありますが、個々の取引の事情・条件によって異なることもあります。たとえば、住宅ローンを利用せず全額現金で支払う人であれば、住宅ローンの審査や融資はなくなりますね(多くの人が利用しておりますが)。

住宅診断(ホームインスペクション)を利用しない人であれば、これもなくなります(こちらも多くの人が利用するようになりました)。

一戸建て、マンション、新築、中古のいずれであっても、契約や引渡しというタイミングには、注意すべきことも多く、多くの知識を求められるところです。住宅購入で失敗しないように、住まいの殿堂(本サイト)で学んでください。

 
 
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